「2018年12月に入って以降、太平洋南方沖の地震が急速に増えています。過去数十年で、これほど集中したことはありません。きわめて危ない状況で、異常だといえます。」

そう警笛を鳴らすのは、立命館大学・環太平洋文明研究センターの高橋学教授(災害リスクマネジメント)だ。マップ内の「南海トラフ」に沿って、和歌山県南部の紀伊水道周辺や、四国と九州間にある豊後水道、日向灘を中心に、2018年12月に入ってから地震が頻発していることがわかる。

南海トラフ地震とは、駿河湾(静岡県)から四国の南の海底に続く約700㎞、水深約4000mの深い溝のこと。そこから続く、ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界に沿った場所を震源とする地震が相次いでいるのだ。「いずれも震源が深く、南海トラフが直接動いたことによる地震。いつ南海地震が発生してもおかしくない状況になっています」(高橋)

ちなみに、昭和東南海地震(1944年)と昭和南海地震(1946年)が発生してから70年以上経つ。そしてこれから、南海トラフに加え、その西南に続くプレート境界で起こるであろう大地震を、高橋氏は「スーパー南海地震」と命名した。

「プレート型地震が起きる3,4年前には、大きな地震が起きる。2016年の熊本地震、同年の鳥取県中部地震、2018年6月の大阪北部地震などは、南海トラフでおきる地震の予兆だと考えられます」(高橋)

今後30年以内にM8~9クラスの南海地震が70~80%の確率で発生し、最大32万人の死者が出ると、政府は想定。だが、高橋氏によれば、津波だけで47万人にものぼるという。まさに「西南日本大震災」といえる大災害だ。

政府は、2018年12月11日の中央防災会議で、南海トラフ地震への対応策をようやくまとめた。南海トラフ一帯の半分の地域で地震が発生した場合、残る地域でも巨大地震が発生する確率が高いため、事前に住民を避難させるというもの。具体策は自治体に委ねるという。

「政府には切迫感が感じられません。遅くとも2020年までに南海地震は発生する可能性がきわめて高い。東京五輪や大阪万博が無事に開催できるか、まず対策が必要です。」

国が備えるより早く起きたら・・・・・。個人でできる備えは万全にしたい。(2019.1.14(月)配信 smartFLASH)

有識者や政府・自治体、あるいはメディアや周囲の人々からさまざな情報が発信されています。いつ来るのかは重要ではありません。いつきてもいいように対策を怠らないことが重要です。記事の批判には意味がありません。なぜなら地震は絶対に起きるからです。