昨年10月の台風19号被害に対する教訓を生かそうと、水戸市中央の市役所で14日、「災害時の障害者避難を考える会」が開かれ、参加した福祉施設の関係者や民生委員ら約80人が要配慮者の避難の在り方を探った。福祉施設や特別支援学校の担当者が被害当時の対応を報告、検証したほか、課題などについて意見を交わした。

考える会は、市と発達障害児らを支援するNPO法人「風の子」(同市双葉台、鈴木恵美子理事長)が開催。障害者が災害や事故に遭遇した際、周囲に提示することで困っている状況を知らせ支援を求める「たすけてパスポート」について鈴木理事長が紹介したほか、「パスポートを広げる活動に協力してほしい」と呼び掛けた。

報告では、県立水戸飯富特別支援学校が台風19号被害後の2日間を臨時休校とし福祉避難所を開設したほか、スクールバス全路線への安全確認を実施した対応などを報告。担当者は「保護者への福祉避難所開設の周知が進まず、課題が残った」などと説明した。

報告後の意見交換では、障害児を含め育児に追われる被災者への支援についての要望も挙がった。市防災・危機管理課は「今後、保育や子どもの預かりなどに対するボランティアも検討していければ」と応じた。

4月に就労支援施設を開設予定という加藤里子さんは「支援を求め、自ら手を挙げることができる要配慮者は少ない。福祉施設側が積極的に行政との橋渡し役を務めることの大切さを改めて認識できた」と話した。(2020.2.20(木) 4:00配信 茨城新聞クロスアイ) 

災害が発生したとき、高齢者やサポートの必要な方の避難支援は大きな課題です。日ごろから情報を共有してどこに支援を必要な人が住んでいるのかを知っておく必要があります。しかしながら現代では個人情報保護法という法律の壁が大きく立ちはだかっています。今は地域にいらっしゃる民生委員の方に大きな負担がのしかかっている現実があります。その民生委員も高齢化が進んでおり、次の世代の担い手がいないという課題があります。