6434人の犠牲者を出した1995年の阪神大震災からきょうで25年となる。多くの家屋や建物、高速道路などが崩壊し、甚大な被害をもたらした直下型地震は、防災行政や被災地支援、災害への備えに対する転換点ともなった。

避難先で体調不良で亡くなるなど、震災と因果関係が認められる「震災関連死」が知られるようになったのもこの地震からだ。阪神大震災では、900人超に上った。

災害弔慰金制度に基づく関連死も、阪神大震災から認められるようになった。ただ、市町村が認定する際の統一的な基準はいまだなく、ばらつきがあることも課題となっている。

避難所では、トイレや冷暖房設備、プライバシーの配慮、安全面など環境整備の重要性が浮き彫りになり、各自治体で備えが進んできた。

介助を必要とする高齢者や障がい者、妊婦など災害弱者を支える必要性も認識され、福祉避難所も徐々に設置されてきた。

だが、十分に機能しているとは言い難い。共同通信社の調査によると、福祉避難所について、受け入れ可能な人数と利用する可能性がある対象者の両方を集計している15府県で、対象者約134万人に対し、受け入れ可能は18%の約24万人にとどまっている。沖縄では避難所数の不足などで受け入れ人数は不明だ。

迅速な受け入れが可能な避難所運営や担い手育成などを含め、災害時の避難生活全般にわたる態勢の再検証と点検が求められる。

阪神大震災があった95年は「ボランティア元年」とも呼ばれる。当時、被災地には多くのボランティアが入り、がれき撤去や仮設住宅の高齢者訪問など支援に携わった。

ボランティア活動を後押しし、団体が法人格をもてる特定非営利活動促進法(NPO法)が成立するきっかけにもなった。

2011年の東日本大震災後、改正された災害対策基本法は、国や自治体に対しボランティアと連携に努めるよう義務付けた。いまや災害時の復旧・復興にボランティアは不可欠な存在となっている。

一方、各被災地では、時間の経過とともにボランティアが減少する傾向もある。

復興支援には息の長い取り組みが欠かせない。被災地支援のボランティア参加にかかった費用の一部を助成する大学や自治体なども出てきた。積極的に参加しやすい環境づくりも必要だろう。

きょう、神戸市内で阪神大震災の犠牲者を追悼する式典が開かれる。地震発生時刻に合わせて午前5時46分に黙とうする。

神戸市の復興住宅に住む被災者101人を対象にした調査では、震災の記憶や経験が風化していると感じている人が6割に上った。

地震にとどまらず、大雨や大型台風など大規模災害が続いている。教訓を生かすためにも次世代につなぐ取り組みが必要だ。何よりも過去の災害の悲しみを忘れず、学ぶことが防災・減災につながる。(2020.1.17(金) 8:50配信 沖縄タイムス)

阪神淡路大震災から25年という月日が流れました。4半世紀の間に多くの人の努力により神戸は復興しました。しかしながら今だ復興住宅にお住まいの方がいることも事実です。災害は生活を一変させます。出来るけ被害を減らすための減殺対策を行うことは当然ですが、1日も早く日常生活を取り戻すためのリバイバル対策を行うことも重要なのです。子育て世代のパパやママにはこの地震のことを昔話のように聞いている人もいます。私が関東大震災をそのように聴いているようにです。どのようにして語り継いでいくのかを真剣に考える必要があるのです。災害の怖さを知るということは防災対策の第一歩です。25年前の今日、神戸で大きな地震が起こりたくさんの人がなくなったというお話を家族でしてみてはいかがでしょうか!!