昨年の大阪北部地震で、地震を引き起こした活断層の動きに誘発され、震源から離れた有馬―高槻断層帯の一部もわずかに動いていたことが、国土地理院による地殻変動の解析でわかった。「おつきあい断層」と呼ばれる現象で、活断層の多様な活動を示すとして注目されている。
高槻市付近を震源とする大阪北部地震は、それまで知られていた活断層が起こしたものではないとされる。当初、地殻変動はほとんど観測されなかった。
だが、宇宙航空研究開発機構の地球観測衛星「だいち2号」が観測した地表のデータを詳細に解析したところ、震源の真上にあたる震央から水平距離で約3キロ離れた有馬―高槻断層帯の一部が約5キロにわたり、数百メートルの幅で1~2センチほど主に横ずれの地殻変動があったことが確認された。
こうした「おつきあい断層」は、宇宙からの測量技術の進歩により認識されるようになった。2016年の熊本地震では200以上も見つかり注目された。昨年の北海道胆振東部地震でも約15キロにわたり約10センチ動く地殻変動が見つかった。
国土地理院の藤原智・地理地殻活動研究センター長は「断層は地下の弱い部分。周辺の地震の衝撃で付随的に動き、たまっているわずかなひずみを解消しているのではないか。活断層の活動は多様なことがわかってきた」と話している。(2019.6.27(木) 17:40配信 朝日新聞DIGITAL)
活断層の新たな動き方を私も初めて知りました。技術が進むと今まで知られていなかったことが次々と発見されます。いつの日にか地震予測ができる時代がくればいいと思います。