避難しないと人の命を危険にさらします――。

西日本豪雨で大きな被害を受けた広島県が今月、災害時に避難を呼び掛ける新たなメッセージの使用を決めた。県民1万人へのアンケートを基に見つけ出したフレーズで、避難行動の促進が期待できるという。県内の市町の防災行政無線などで活用してもらう。

県は従来、「災害から命を守りましょう」などの呼び掛けを使用。ただ、昨年7月の豪雨では、災害関連死を含め都道府県別で最多の130人以上の犠牲者が出て、県民の避難行動の遅れが課題として浮き彫りになった。

避難を促す効果的なフレーズを探ろうと県は2~3月、県内の18歳以上の男女1万人に郵送でアンケートを実施(回答率56%)。全体を6グループに分けて、それぞれ異なるメッセージを示し、「避難所に避難する」と答えた率を比較した。

この結果、「これまで豪雨に避難勧告で避難した人は、まわりの人が避難していたから避難したという人がほとんどでした」というフレーズに「あなたが避難しないと人の命を危険にさらすことになります」と続けるパターンが4割近くで1位。「あなたが避難することは人の命を救うことになります」と呼び掛けた場合が3割超で2位となった。一方、従来の「命を守りましょう」は2割にとどまった。

県は今月、激しい雨が降った際、「人の命を救う」というメッセージを既に使用。今後、更に緊迫度が増した状況では「人の命を危険にさらす」も使用する方針だ。三宅操・県減災対策推進担当課長は新メッセージについて「他者に対する責任が避難の意識を高めるのではないか」と分析。「県民の背中を一押しする言葉をさらに探したい」と話している。(2019.6.23(日) 19:52配信 毎日新聞)

要救助者がいなければ危険な場所に行く必要はありません。危険な場所にいかなければ命を危険にさらす必要もないのです。防災の基本は自分の命は自分で守るです。避難は自主的に行うものではありますが、自分のせいでもしかしたら周囲の人が命を落とすかも知れないと考えて行動してください。