被災企業取材した東京の田中さん「BCP策定に活用を」

東日本大震災の津波で被災した岩手、宮城両県の水産加工業者に焦点を当てたドキュメンタリーを制作する田中敦子さん(76)=東京都=が、自らの作品を通して中小企業に防災減災対策を呼び掛ける講演活動を始めた。今なお被災地で撮影を続ける田中さんは「首都直下地震や南海トラフ巨大地震の被害が想定される関係者に見てもらい、BCP(事業継続計画)の策定に役立てて」と訴える。

東京都大田区産業プラザで8日にあったセミナーには、製造業の若手経営者ら約20人が参加。田中さんが手掛けた「経営者たちの戦いの記録」「あの日から5年」が上映された。

田中さんはインフラ復旧の遅れ、資材高騰や人手不足、二重ローンといった課題を列挙。取材した業者が経営破綻した厳しい現実も紹介し「顧客や取引先をつなぎ留める努力や、同時に被災しないエリアにある同業者との提携が大事。周辺の会社と一緒に復旧復興に取り組む姿勢がないと、難局は乗り越えられない」と指摘した。

京浜工業地帯にある大田区は町工場が集積し、首都直下地震では大規模な建物倒壊や火災が懸念される。田中さんを招いた大森工場協会YMクラブの渡辺穣(ゆたか)幹事長(56)は「衝撃的な内容だった。大災害が起きる前に計画を立て、地元企業間で連携する必要性を実感した」と話した。

田中さんは震災の3週間後に被災地に入り、石巻、気仙沼両市や岩手県山田町などで水産加工に携わる経営者の苦闘を追っている。「被災した経営者にとって重要なことはお金と時間だった。記憶を呼び起こし、後で検証できる被災地の記録をきちんと残したい」と田中さん。制作費を工面し、2021年3月末の復興庁廃止前に「収束編」を完成させたい考えだ。(2019.2.18(月) 12:00配信 河北新報)

災害発生時に会社が受ける被害は計り知れません、東日本大震災が発生して間もなく8年が経過しようとしている現在においても災害が原因の倒産は続いているのです。被災しても会社が事業を復活させて継続させるためには準備が必要です。その準備の一番目は社長・社員・家族の命を災害から守る事、二番目はお金を用意する事です。特に中小零細企業が災害に負けない為の準備とはその2つに重点を置く必要があるのです。