旭化成ホームズが、災害に強い賃貸「へーベルメゾン・防災パッケージ」の販売を進めている。太陽光発電パネルと蓄電池を備え、停電時でも電源の供給を可能にする。

へーベルメゾン・防災パッケージは、2019年に販売を開始。すでに3棟の物件で入居が始まっており、現在までに約50棟の受注があるという。賃貸の防災力強化が目的で、通常の賃貸住宅と差別化することで、家賃アップや入居を促すことが目的だ。

メディア向けに公開された防災ステーション搭載の賃貸住宅は、都営新宿線菊川駅から徒歩5分の場所に位置する。全13戸の集合住宅で、部屋は1K、1LDK、メゾネット付き2Kの3タイプを用意。1~2人暮らし用を想定している。家賃は共益費込みで10万4000円~16万7000円。相場に比べて2000円程度高い設定になっているという。

屋根部分に太陽光発電パネル、物件内に蓄電池を設置し、停電時の電源を確保。蓄電池は共用部分の「防災ステーション」に置かれ、ステーション内にはスマートフォンの充電ケーブル、乾電池、懐中電灯といった防災グッズを保管しているほか、脚立やタイヤ空気入れなど、普段も使えるアイテムを一緒に置いておくことで、日常的に防災グッズを入居者が意識できるようにしているという。

エントランス部分には、防災サイネージと呼ばれるディスプレイを設置し、平常時は天気予報などのインフォメーションモニターとして使用。災害時は地震警報や避難情報が配信される災害情報が取得でき、テレビとしても機能する。

エントランスは停電時でも蓄電池から電気を供給することで、オートロックとしての使用を継続。共用部の廊下にも非常灯が配置され、夜間でも明かりを灯す。

室内専有部には、家具固定を可能とした壁面を用意するほか、転倒の恐れのある家具類を収納する「集中収納」を設けるなど、地震などで家具が転倒しない安全な家づくりを実践。1~2人暮らし用ながら、パントリーもあり備蓄しやすい環境を整える。地震後の通電火災を防止する「感震ユニット付分電盤」や、玄関に「非常用照明」も用意する。

ヘーベルメゾンは、耐震・耐火性能で高い評価を持つ戸建住宅「へーベルハウス」と共通の構造躯体を持つ賃貸住宅。制震構造を標準仕様にするなど、防災に対する意識は高い。へーベルメゾン・防災パッケージは「賃貸住宅だから」と防災への備えを諦めることなく、取り組めるように開始したもの。旭化成ホームズでは将来的にこれが標準仕様になるよう、取り組んでいきたいとしている。(2020.3.27(金) 14:44配信 c|net Japan)

今後、このような災害対応住宅の普及が進んでいくと思います。政府や自治体はこのような動きの中でオーナーだけではなく、賃借人も含めた建設費や家賃サポートの補助金・助成金の創設を検討すべきです。