台風19号による豪雨では、都市部で増えるタワーマンションでも浸水による停電や断水などの被害が出た。

免震・耐震構造の採用など、地震対策はこれまでも強化されてきたが、水害への対応は十分だったのか。専門家は「今回の災害を教訓に対策を進めるべきだ」と指摘する。

タワマンに明確な定義はないが、一般的には20階建て以上、または高さ60メートル以上の高層マンションを指す。充実した共用施設や眺望が人気を集めており、不動産経済研究所によると、2018年までに首都圏で877棟(約25万戸)が建設された。

今回被害が大きかったのは、タワマンが林立し「住みたい街」ランキングで毎年上位に顔を出すJR武蔵小杉駅(川崎市)周辺。多摩川の水位が上がって排水管から逆流が起こり、駅周辺が冠水した。約1500人が入居する47階建てマンションは地下にあった配電盤が水没し、24階までが停電、全戸が断水となった。

仮住まいへの引っ越しの準備中という中層階の女性は「もっと早く復旧すると思っていた。子どもたちはもう外に出たくないと言っている」とうんざりした様子。11階に住む男性(66)は知人の家に避難しているといい、「エレベーターが使えず大変だ」と嘆いた。

国土交通省によると、水害については地域によって危険性にばらつきがあるため、建築基準法による一律の規制はない。マンション管理コンサルタント、土屋輝之氏は「分譲マンションでは配電盤は地下にあるのが普通。浸水対策は止水板や土のうを設置するぐらいで、訓練もあまりされていない」と話す。

その上で「近年の気候変動を踏まえ、これまでの浸水対策の基準を見直す必要がある。その分コストがかかっても、防災対策が優れているというアピールになる。住民も訓練に力を入れるなど、対策を強化すべきだ」と訴えている。(2019.10.19(土) 7:16配信 JIJI.COM)

タワーマンションだからということではなく、自宅購入をするときはハザードマップを確認することが重要です。リスクを理解した上でいろいろと検討してみてください。現代において災害リスクはどんどん上昇しています。特に自然災害リスクは過去の前例は役立ちません。現代を生きている我々は自然災害と共存することを真剣に考える必要があります。安芸の宮島は高潮に襲われたとき床板が流されることを前提として建築されています。昔の人の知恵です。受け入れて受け流すという考え方もあるのだと思います。