2020年がスタートしました。災害が多かった昨年、台風もひどかったですが、地震も「震度5弱以上」が全国で9回起きたそうです(政府地震調査研究推進本部)。高い確率で各地の巨大地震が予測されているなか、みなさんは地震の準備をしていますか?

これだけは常備しておくべき3アイテムとは?

とはいえ、「防災グッズを買いまくって安心するのは勘違い。100均グッズや“あるもの”で代用できます」と言うのは、国際災害レスキューナースで、『レスキューナースが教える プチプラ防災』の著者である辻直美さんです。辻さんは阪神淡路大震災(1995)と大阪北部地震(2018)を体験したのに加え、看護師として日本中の被災地に派遣されています。

その体験から、辻さんが「常備しておくべき3つ」に挙げるのが、ゴミ袋(45L)、ペットシーツ、新聞紙です。さまざまな用途に使えますが、今回は、この3つを使った「災害トイレ」の作り方を教わりました。過去の地震でも、断水でトイレが流れず、汚物てんこ盛りの悲惨な状態になったと報告されています。ですが、市販の「災害用携帯トイレ」は、辻さんが使ってみたところ「大のほうはきばれないので無理」だったそう。

では、本当に使える災害トイレの作り方とは?(以下、辻さんの寄稿)

断水時でも使用できる「災害トイレ」の作り方

被災時に切実なのが「トイレ」問題です。大きな災害があると停電や断水などで長期間トイレが使えなくなることもあります。そんなとき知っておくと役に立つのが「災害トイレ」の作り方です。ゴミ袋(45L)とペットシーツ、ちぎった新聞紙があれば、すぐに作れて後始末も簡単です。ゴミ袋を縛る前にハッカ油やティトリーなどを振りかければ、ニオイ対策になります。

<使用するもの>

ゴミ袋(45L)2枚とペットシーツ(レギュラーサイズ)1枚、ちぎった新聞紙(朝刊1枚程度)を用意します。ペットシーツがなければ新聞紙を多めに。①便座をあげ、ゴミ袋を二重にして便器にかぶせる。※使用後は1枚目のゴミ袋はつけたまま、2枚目のゴミ袋のみ交換。

②ペットシーツを吸水面が外側にくるよう二つ折りにする。よく吸ってくれるようにするためのひと工夫です。

③ ②のペットシーツの中央に、小さくくぼみをつくって設置すると、排泄物をしっかりキャッチしてくれます。

④ ③の上に、新聞紙ひとつかみ分をのせます。吸水と消臭のダブル効果に加えて、大便を目隠ししてくれる効果も。

⑤便座をおろせば完成。尿意や便意をもよおしたら、いつも通り便座に座り、用を足すことができます。

⑥用を足した後は、上のゴミ袋だけ外して口を結ぶ。ビニールの余った部分をひっくり返して縛れば二重になり安心。

排泄は生理現象ですから、我慢して何とかなるものではありません。できるだけトイレに行く回数を減らしたいからと、水分や食事を控えると、体調を崩す原因にも。安心してトイレに行ける環境を整えることが大切です。

断水時、くみ置き水をトイレに流すのは厳禁

また、気をつけたいのがトイレ後の手指衛生。免疫力が落ちていると感染症にかかりやすくなります。しかも、断水していると手を洗えなくなるため、ウェットティッシュなどを用意しておきましょう。ちなみに、ゴミ袋に「45L」と書いてあるなら、文字が的になるように設置すると、男性がこぼさずにしてくれるようになりますよ。

断水している時、その原因がわからないのにお風呂のくみ置き水などでトイレを流すのは危険です。地震などの災害で、排水管や下水管が破損して断水することがあります。特にマンションで排水管の途中が破損していると、自分の部屋から流したトイレの汚水が下の階に漏れてしまうというトラブルも起こります。

辻さんの家では、100均アイテムなどで地震の備えをした結果、大阪北部地震(2018)で震度6弱に見舞われたときも、お皿1枚割れなかったそうです。そのノウハウは『レスキューナースが教える プチプラ防災』に紹介されていますが、何はともあれ、「ゴミ袋(45L)、ペットシーツ、新聞紙」を常備することから始めてみましょう。(2020.1.15(水) 15:46配信 女子SPA!)

災害が発生したときのトイレの問題は命に関わります。どういう形でもいいので準備をしてください。お住まいの形態に関わらずです。