新型コロナウイルス対策で密集や密接を防ぐため、県内11市のうち8市で、災害時に住民が避難生活を送る学校の体育館などの「指定避難所」の収容可能人数が「3分の1」または「半分」に減ることが沖縄タイムスの調べで分かった。
各市は、学校の教室や別の公共施設を利用したり、ホテルと協定を結んで空き室を使えるようにしたりして対応する。
■ホテルと協定
人口約32万人の那覇の指定避難所は83カ所。2万5561人の収容可能人数がコロナ対応で「3分の1程度に減る」見込みだ。対策として、学校の体育館以外に教室を利用できるよう調整済み。空き室を利用できるよう、県ホテル協会、県ホテル旅館生活衛生同業組合と近く協定を締結する。
名護は11カ所約2500人が約800人に減る。「コロナ以前に指定避難所が絶対的に不足している」と担当者。
東海岸に公共施設が少ないため、市内のホテルと今年3月に防災協定を締結し、避難施設として利用できるようにした。さらに別の2ホテルと防災協定締結を調整中だ。
豊見城は21カ所で最大2万2千人の収容が可能だが、単身世帯4平方メートル、家族世帯8平方メートルの避難スペース間に2メートルのソーシャルディスタンスを取るため3分の1に減る。沖縄空手会館を22番目の指定避難所に加えるため県と交渉中だ。
■縁故避難促す
沖縄市の指定避難所はわずか3カ所、最大580人がさらに3分の1に減る見込み。市は、安全な場所にいる親戚や知人宅に避難する「縁故避難」、指定避難所以外への「分散避難」を呼び掛ける。
浦添は19カ所4560人が3分の1に減。市役所庁舎の2階以上の部屋も利用するなど、今ある施設を活用する考えだ。
南城は10カ所、約1万3千人が3分の1に減るため、避難所内の空きスペースや指定避難所以外の施設の利用を検討している。
■空き施設利用
宜野湾は59カ所8159人が4070人に半減する。ただ震度6強とされる沖縄本島南東沖地震発生時の避難者は約3千人の想定で、現状で対応可能とみる。
うるまも25カ所2万9690人が半減するため、縁故避難を呼び掛ける。
宮古島は42カ所1万372人が「減るが何割かの計算はしていない」。市役所平良庁舎に近接する小学校体育館を新たに確保した。
糸満は13カ所7895人。避難所内の空き部屋、空き教室を「サブ避難所」として利用するため収容人数は「減らない」とする。
石垣は25カ所、約100人をコロナ対応後も維持できるとみる。避難者が増えた時は、避難所の2階に利用を広げて対応する。(2020.8.24(月) 9:46配信 沖縄タイムス)
避難所の収容人数が3/1や半分になっているのは沖縄だけの問題ではありません。コロナ禍で防災対策、特に避難所の役割が激変しました。災害が発生したら避難所に避難という考え方でしたが、今は最終的な避難場所という考え方です。どこにも避難できない場合に避難所。避難所以外の避難場所を平常時から探しておきましょう。