地震が起こると、すぐに避難ということが頭に浮かびますが、もし避難しようとしたときに、倒れた家具や崩れた柱などでけがをしていたら、どうしたらいいでしょう。

レスキューが来るまでの間をどうするのか。応急処置をして、何とか避難できるようにするのか。

――泥水の中でけがをしたり、土砂をかぶってけがをしたりしたような場合、特に気を付けることはありますか。

泥水には有害な物質、細菌が多く含まれています。従って、けがをした場合は化膿する可能性が大きく、飲み込んでしまった場合は胃腸炎や肺炎を起こすことがあります。ちなみに、津波の泥水が気管に入った場合に起こる肺炎を津波肺といい、怖い病気として知られています。けがをした場合は、可能であれば、速やかに流水で創部を洗浄し、医療機関を受診する必要があります。泥水を飲み込んだりした場合も同様で、症状がない場合でも、医療機関を受診することが大切です。

――目にガラスの破片など異物が入ったような場合、どんな処置をしてから避難するといいでしょうか。
 
むやみにこすったりすると、角膜や眼球自体の損傷につながりますので、行ってはなりません。ガーゼや清潔な布を当てて、速やかに医療機関を受診する必要があります。

◇意識ない人を見たら連係プレー

――意識を失って、呼吸停止を起こしている人に対してできる処置を教えてください。

意識を失っている人を見つけたら、まずは大声で誰かを呼びましょう。協力者が来たら、「あなたは救急車を呼んで」と、119番通報を依頼します。近くにAED(自動体外式除細動器)があれば、取って来てもらいます。次に、胸や腹部の動きを観察して普段通りの呼吸をしているかを確認します。普段通りの呼吸をしていなければ、胸骨圧迫(いわゆる心マッサージ)を行います。胸骨圧迫の部位は胸の真ん中で左右の乳頭を結んだ線のレベルです。胸骨圧迫の強さは、胸が少なくとも5センチ沈み込む程度で、速さは1分間に少なくとも100回のリズムで圧迫を行います。

なお、AEDが到着した場合は、電極パッドを傷病者の胸に張り付け、AEDの音声メッセージに従います。

◇避難袋にお薬手帳

――先生がこれまでの被災地支援で「これは家に準備しておいた方がいい」と思われた、応急処置に必要なもの、「避難袋に入れておいた方がいい」というものを教えてください。

応急手当に必要な医薬品や包帯、ばんそうこうに加えて、正確な情報をいち早く取るための携帯ラジオ、携帯電話やスマートフォンは必要です。充電器、乾電池などは避難袋に入れておいた方がいいと思います。また、普段服用しているお薬があれば、避難の際にお薬手帳を携帯することも忘れないでください。(2019.6.27(木) 17:10配信 JIJI.com)初祭事

自助・共助のお話です。その場にあるものを利用して対応する能力が必要になります。日ごろから創造力と想像力を養っておきましょう!!