地震保険の加入状況
損害保険料率算出機構の地震保険統計によれば、2017年時点の世帯加入率は31.2%となっています。1993年より前に最大震度6以上の地震が発生したのは1982年が最後ですが、1993年以降はほぼ毎年発生しています。阪神・淡路大震災が発生したのが1995年。大きな地震の発生に比例するように、世帯加入率も増えているようです。
地震保険で家の再建は可能か?
地震などを原因とする、火災による家の損傷は火災保険では補償されません。地震・噴火またはこれらにより発生した津波による損害の補償を受けるためには、地震保険に加入する必要があります。地震保険は単独で加入することはできず、原則、火災保険に付帯する形となります。なお、ここでいう「家」とは住居用の建物(併用住宅を含みます)です。地震保険では、店舗や事務所などは対象外です。また、家に対して補償される保険金額には上限があり、火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内かつ5000万円が上限です。
例えば、家が全損した場合の、再建に必要な金額が2000万円とします。火災保険ではその額の全額を保険金額として設定できますが、地震保険は火災保険の保険金額の50%が限度なため、1000万円までしか保険金額を設定できません。
そのため、地震が原因による火災などで家が全損しても、地震保険の保険金だけでは家の再建はできません。これは、災害にあったときに、「被災者の当面の生活立て直し費用として保険金を充てること」を地震保険の主な目的としているためです。
火災保険に付加できる2つの特約
主契約の火災保険には、一般的に「地震火災費用保険」という保険が自動付帯しています。これは、条件を満たせば地震・噴火、またはこれらによる津波を原因とする火災による建物・家財の損害保険金の5%程度を補償するものです。これに「地震火災費用保険金支払割合変更特約」という特約を付加することができます。この特約を付加した場合、「地震火災費用保険金」の支払割合が5%から50%にアップします。その結果、この特約を付加した火災保険と地震保険の保険金の合計で、全損した家の再建費用をカバーできる場合があります。
また、もうひとつ火災保険に付加できる特約に「地震危険等上乗せ特約」があります。こちらは地震を原因とする火災だけでなく損壊・埋没・津波による流失なども補償対象です。「地震火災費用保険金支払割合変更特約」より特約保険料は高くなるようです。
火災保険や地震保険の保険料も増加傾向
場合によっては、保険で、地震による家の全損をカバーすることは可能のようです。しかし、自然災害の増加に伴い、保険金の支払いが増加しています。そのため、火災保険や地震保険の保険料も見直しが行われ、保険料は増加傾向にあるようです。保険料はさまざまな条件により変わってきますので、保険会社によく相談する必要があります。保険料が日々の生活を圧迫してしまうのは本末転倒ですので、家計の状況をよく把握されたうえで検討するようにしてください。(2019.6.4(火) 18:20配信 ファイナンシャルフィールド)
地震保険とは建物の再建保険ではありません。当面の生活費用です。ローンの返済にあてたり引越し費用にあてたりと様々な使途が選択できるのです。保険料も地区ごとに違いはありますが、どこの保険会社で地震保険に加入しても保険会社で保険料が変わることはありません。それは地震保険は国が作った制度だからです。民間保険会社はその契約窓口をしているだけなのです。制度の仕組みをよく理解した上で加入を検討してみてください。