白山工業は、「第3回スマートビルディングEXPO」に出展し構造計画研究所と共同開発したVR技術と揺れの体感を組み合わせた「地震ザブトン×VR」の体験会を行った。

地震ザブトン×VRは、専用のイスに座り、VR体験用のVIVE社のHMDを装着すると、揺れの体感と、3次元の映像演出でリアルに地震を体感することができる。地震の揺れは、実際に観測されたデータをもとに地震動を再現。直下型、海溝型、長周期による高層階の揺れなど、タイプの異なる震動を体験できる。

VRコンテンツは、建物高層階の床応答および、室内の家具の挙動を物理計算し、3DCG化。揺れによる室内の被害を疑似体験することができる。

開発にあたり、白山工業と構造研究所は、従来の起震車(地震体験車)では、その場限りの体感で終わってしまうことが多く、体験者が地震災害を“我が事”として考えられる地震対策ツールを目指した。構造計画研究所の地震応答解析技術とVR、白山工業のロボティクス技術を融合させた、新たな地震動シュミレーターが生まれた。

販売は2018年11月から受注を開始。担当者は「地震ザブトン×VRは持ち運びが可能なため、屋外やオフィス、会議室等場所や天候を選ばずに地震体験が行えるメリットがある。免震有無の違い体感することで分かるので、不動産会社をはじめ、住宅展示場などのニーズに応えていきたい。また、マンションの共有部に置いて、防災訓練の一環としての利用も見込んでいる」と話す。(2018.12.20(木)7:00配信 スマート💡ジャパン)

起震車などで地震体験をした後、実際の対策に取り組むなどのアクションへのアプローチが課題でした。「正しい恐怖を体験する」ことが課題を解決するために必要な要素です。今回の新しい技術を活用した地震疑似体験コンテンツがその課題を解決するのための第一歩になる事を期待しています。