“日常に近い食事”ができるように備蓄された食品こそがいざという時のお助けに。ふだんの暮らしの中で少しずつ備えるコツは? 管理栄養士、防災士の今泉マユ子さんに教わります。

【調理器具】カセットコンロと水を使わない道具は必須。

温かな食事は不安を和らげ、生きる希望に。ライフラインが途絶えてもホッとできる食事を続けるための熱源と道具の必需リスト。

温かな料理が災害時の救いに。 ライフラインが復旧するまでの熱源確保には手軽に調理ができるカセットコンロが必須。普段から定期的に使って慣れておこう。

 

使用期限は7年。1カ月分の備蓄を。 ガスボンべ1本で約60~90分使用可。1カ月ガスが止まると想定し15~18本の備蓄が目安。使用期限7年なのでローリングストックを。

調理道具を汚さず蓋や器にも。 鍋やフライパンにアルミホイルを敷いて調理すれば、使った調理道具を洗わずに済む。蓋や器としても利用でき、そのまま捨てられる。

皿にかぶせて洗い物を減らす。 アルミホイル同様、洗い物を減らすために器はラップフィルムをかぶせて使う。器を汚さず、食事を終えたら汚れたラップは廃棄。

皮をむけば洗わずに根菜類が食べられる。 大根、人参、ジャガイモなどの根菜はスライサーやピーラーで皮をむけば洗う必要がない。使った道具はウェットティッシュで拭くだけ。

キッチンばさみを包丁代わりに。 洗い物を減らすためにと、まな板にラップを敷いて包丁を使うと滑りやすく危ない。キッチンばさみで代用すれば、節水できる。

「耐熱性」「湯せん可」表記のポリ袋を選ぶ。 災害時には、ポリ袋に食材を入れ、鍋で湯煎する調理法が役立つ。ポリ袋の商品表示を確認し「耐熱性」「湯せんができる」ものを選ぶ。

備蓄食と聞くと、日常生活とは違う特別な食品、とのイメージを抱きがち。 「まずその認識を変えましょう。普段食べ慣れないもの、まして苦手なものはストレスの多い災害時にはもっと食べられない。非常時にこそ当たり前の食事が強く求められます。

備蓄といえば乾パンと型どおりに備えて、ハイ終わり、ではなく、自分や家族が食べられるものを、具体的な食べ方とともにイメージして備える視点が不可欠なのです」と防災食の研究・普及などの活動に長年携わる今泉マユ子さん。

大切なことは、日常生活のなかで少し多めの食料備蓄を心がけること。 「主食、おかず、おやつ、災害時に摂りにくい野菜、とざっくり分類し、日頃からローリングストックをしながら家族が最低3日、できれば1~2週間過ごせる量を備えてください。甘くて即エネルギーが摂取できる食品やとろみ剤は高齢者や子どもだけでなく、ストレスで食べ物が喉を通りにくくなりがちなすべての人に役立ちます」

災害時でも一汁一菜の食事が心身を落ち着かせてくれる。

「特別な食材やライフラインなしでも、必要な栄養が温かな食事で摂れることが生きる気力に繋がります。平常時から家族みんなで試しておきましょう」(2020.10.12(月) 23:15配信 クロワッサンONLINE)

災害時こそ温かい食事は大切手です。実話ですが、被災地された老夫婦に自衛隊の方がご自宅から避難しましょうとお声かけをしても頑なに避難はしないと言われていたのですが、自衛隊の方が温かい食事をお持ちしたところ、避難に応じられたそうです。温かい食事を摂ることで生きる希望が湧くのだと思います。カセットコンロとボンベは必須アイテムです。日頃から使い慣れておきましょう。