平成最大規模の被害を出した西日本豪雨から1年。最近も各地で集中豪雨に見舞われている。前編に引き続き、昨年7月の豪雨によって甚大な被害を受けた広島からのメッセージをお伝えする。
被害を最小限にとどめるため、西日本豪雨のような、水害を含む有事の時はどうしたら良いのか。万が一に備えていても、不安は多いのではないだろうか。
広島県の三宅操減災対策推進担当課長は「命を守るためには、明るい時間に安全な場所に避難することが大事」と説明する。夜間の場合は、避難経路の安全を確認した上で、十分に注意することが肝心だという。特に高齢者や子供のいる家庭などは、明るい時間帯に早めの行動が求められる。また、避難勧告が発令された時にすでに身動きするのが難しい場合は、指定避難場所でなくても周りの安全な場所に行った方が良い。もし夜間などで外の様子が分からない場合、山や崖など土砂災害の危険性がある地域では、山などとは反対側の屋内で待機したり、水害の場合は上階で避難する「垂直避難」をしたりすることが有効だ。
都市型水害に注意
都市部では多少異なる対応を求められるだろう。「東京防災」(東京都発行)によると、都市部の河川や下水道は、一般的に1時間50ミリの降雨を想定してつくられており、想定以上の降雨では「都市型水害」が発生する可能性がある。
東海地方では17日未明、局地的に激しい雨が降ったことにより、名古屋の栄の地下街や地下鉄の駅が浸水し、明け方に一部の出入り口や改札口が閉鎖された。
都市型水害では、地表がアスファルトなどに覆われていることにより、局地的な集中豪雨が発生すると、一気に地下街や半地下の家屋、地下道路などは冠水しやすくなり、安全な場所へ避難する。水害を察知する目安として「もくもくと積乱雲が大きくなった、真っ黒な雲の接近、雷鳴が轟くなどの前兆の後、集中豪雨はあっという間に都市を襲う」と記されている。冠水している道路は、マンホールや側溝のふたが外れて転落する可能性があって危険。止むを得ず通らなければいけない場合は、傘などで地面を探りながら移動すると良いという。
「災害による人的被害をなくすためには、早めの避難が重要。そのため、避難行動を促す情報発信が全国で今、求められているのではないか」
「助け出す」より「連れ出す」ことをまず、考える。
自分の命を守る行動が、人の命を助けることになる。集中豪雨や台風、地震など、いつ災害が起こるかは分からない。いつでも心に留めておきたい広島からのメッセージだ。(2019.7.21(日) 11:00配信 Forbes JAPAN)
水害の場合は地震と異なり事前に情報が入ります。気象庁等の情報だけではなく、自分の判断も大切です。明るいうちに早めの避難を心がけましょう。