地震で大量の本が崩れ、命を落とす――。
12日は宮城県沖地震(1978年6月)を受けて制定された「みやぎ県民防災の日」。
これまで県内外で発生した地震では、本や本棚の下敷きになる被害が相次いでおり、各地域の消防は家具の固定などの対策を呼びかけている。
14日で発生から12年を迎える2008年の岩手・宮城内陸地震は山間部の土砂災害で多くの犠牲者を出したが、比較的揺れが小さかった仙台市の中心部でも本の下敷きになり亡くなった人がいた。
同市青葉区のアパート2階に住む男性会社員(当時37歳)の死因は窒息死だった。
その日の夜、出勤しなかったことを不審に思った同僚らが自宅を訪ねて、大量の本に埋もれていた男性を発見。男性の部屋には天井近くまで1000冊以上の本が積まれ、重さは数百キロあったという。同区は震度5弱だった。
同様の事例は他の地震でも確認されている。09年8月に静岡市で、11年6月に長野県松本市でそれぞれ震度5強の地震が発生し、いずれも集合住宅の住民が本の下敷きになり死亡。
震度6弱を観測した18年6月の大阪北部地震では、読書が趣味だったという茨木市の男性が亡くなった。
本や本棚に限らず、家具の転倒で命を落とす例は多い。
各自治体は家具の転倒防止器具や落下防止器具の取り付けを呼びかけている。
東京消防庁は「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」をウェブで公開し、本の落下防止器具として、本棚に取り付ける棒や滑り止めのテープを紹介している。
仙台市消防局では家具の転倒防止器具の取り付けを代行する事業を実施。
高齢者や視覚障害者が住む世帯を主な対象として、器具の購入費用以外は原則無料で行っている。(2020.6.12(金) 5:45配信 毎日新聞)
地震に対する防災対策ですぐにできることは家具転対策です。家具を移動させてロケーションを変更することも有効な防災対策です。