■地震からたくさんの災害が引き起こされる

「複合災害」が被害を大きくする

地震が恐ろしいのは、地震から引き起こされる二次的な災害が加わり、複合災害になっていくこと。地震によって漏れた油で火災が起きる、地盤がゆるみ、雨が降ったときに地滑りが起きる……。街、海、山、川……そのとき自分はどこにいるのか、誰といるのか。季節や天気などによって、いつ何時どのような災害が引き起こされるかわかりません。状況に応じて、どのような行動を取れるかで、生きのびれるかどうかが決まります。

■地震により、避けられないほどの大津波がやってくることも

「見たことがない」は当たり前

2011年3月11日午後2時46分。三陸沖を震源に巨大地震が発生。大きなゆれとともに、海岸線に壁となって押し寄せた大津波により、多くの命が失われました。大津波は、北海道から関東の太平洋沿岸へ押し寄せ、漁船や港、住宅地や農地をのみ込みました。また、津波により冠水した面積は561㎡(山手線の内側面積約9倍)におよびます。「見たこと、経験したことがない」規模の災害が、近い未来に、必ずやってくると心得て生きていくこと。それが私たちが今できることです。

■「閉鎖空間」で地震が起きたらどう対処すればいいのか

【状況別地震対策1:映画館や劇場で】天井からの落下物とパニックに注意

バッグなどで頭を保護し、座席のあいだに身を隠して、ゆれがおさまるのを待ちましょう。停電しても誘導灯や非常灯がつきますので、あわてずに、係員の指示にしたがうこと。また、「我先に」と出口や階段に殺到しないようにしましょう。いつでも事前に非常口を確認しておくと安心です。習慣にしておきましょう。

【状況別地震対策2:カラオケボックスなどで】閉鎖された空間では最悪の状況を想定する

カラオケボックスやバーなどの閉鎖された空間で地震に見舞われたときは、まずは部屋のドアを開け放つことです。頭上に注意しながら部屋で待機し、基本的には従業員の指示にしたがって避難します。けれども、地震から火事になったら、たいへん危険です。過去には、きちんとした避難誘導がなかったために、煙に巻かれて亡くなってしまった方もいました。自分が訪れた店に、必ず「きちんと避難誘導のできる従業員」がいるとは限りません。状況をよく見て、火災が起きてもパニックにならず、自分の判断ですみやかに避難しましょう。入店前に非常口を確認する習慣をつけておくと安心です。

【状況別地震対策3:おふろで】「はだか」がいちばん危険

地震は時と場所を選びません。入浴中に地震にあったら、まずは脱出出口を確保しましょう。おふろ場は柱と壁に囲まれているので、比較的安全です。ゆれが激しいときは、浴槽につかまって様子を見ましょう。また、鏡やガラスの破損によるケガに注意すること。はだかで転倒するとたいへん危険ですから、ゆれがおさまってから、洋服を着ましょう。

■車という「密室」で地震にあった時も油断は禁物だ

【状況別地震対策4:車の運転中に】急ブレーキは事故の元! 

ハザードランプを点灯させて、まずは前後の車に注意しながら徐々にスピードをゆるめ、左側の路肩に寄せていったん停車します。様子を見て、可能であれば横道にそれたり、近くの駐車場や広場に車を駐車しましょう。ラジオで地震の規模や被害状況を聞き、周囲の状況を確認します。通行禁止区域内や緊急交通路上に、やむを得ず駐車する場合はキーをつけたままにしておきます。貴重品は持っていきましょう。

【状況別地震対策5:高速道路で】自分の判断でむやみに行動しない

高速道路で地震にあったら、減速して左側に寄せて停車しましょう。ラジオや表示等で情報を集め、警察、パトロールカーからの指示を待って行動します。二次災害防止のため、自分の判断で行動しないことが大切です。避難する場合は、車内に連絡先のメモを残し、窓を閉め、キーをつけたまま、貴重品を持って徒歩で避難しましょう。高速道路では一定区間に非常口や階段が設置されています。

■エレベーターに閉じ込められた時の正しい対処法

【状況別地震対策6:エスカレーターで】エスカレーターでの転落は大ケガにつながることも

地震のとき以外にも、エスカレーターの事故はたくさん発生しています。その原因の多くが転倒や転落で、子どもと高齢者が遭遇する事故が大半です。ゴム靴が巻きこまれた、幼児が落としたものを拾おうとして指を切断した、高齢者が足を踏み外はずして転倒、転落したなど……。一瞬の油断が大ケガを招きます。停電によるエスカレーターの急停止はたいへん危険です。ふだんからよそ見をしないで、ベルトに手をかけて乗るように注意しましょう。

【状況別地震対策7:エレベーターで】閉じこめられたときが怖いエレベーター

エレベーター内に閉じこめられてしまったときは、あわてずに非常用呼び出しボタンやインターホンでサービス会社に助けを求めましょう。万が一インターホンもつながらない場合は、エレベーター内に表示されているサービス会社か消防署に直接電話します。なお、地震のときは同様の事故が多発していますから、すぐに助けにきてくれるとは限りません。(2019.11.21(木) 9:15配信 PRESIDENT Online)

地震は時と場所を選びません。ということは自分か゛どういう状況のときに地震が発生するのかわからないということです。発生したときはまずは「自分の命を守る行動をするが基本」です。その後の行動が置かれた状況で変わってきます。日ごろからどのように行動するのかをシュミレーションしましょう。例えば映画館に行ったら非常口を前もって確認しておくことなどもシュミレーションです。