今後30年の間に70%の確率で起きるといわれている首都直下地震(※政府の地震調査委員会が予測)。そのとき、とっさの判断が生死を左右する。
本企画では、今日にもどこで起きるかわからない地震から命を守るためのノウハウを、クイズ形式で解説していく。これまでの“防災の常識”は、経験に基づく防災学の進歩により変わりつつある。常に最新情報を取り入れていこう。
今回のクイズは──。屋内で被災したら、
【A】「机の下に隠れる」か、【B】「座布団などで頭を守る」か、どちらが正解か?
震度5強以上の大地震では、揺れている最中に移動するのは危険だ。避難訓練で揺れを感じたら机やテーブルの下に隠れると習った人も多いだろうが、この行動は避けた方がいいと、災害危機管理アドバイザーの和田隆昌さんは言う。
「机の強度が充分でないと、倒れてきた家具に押しつぶされて圧死するリスクもあります。さらに倒れてきた家具に周囲がふさがれ、机の下に閉じ込められた例も報告されており、安全とは言い切れません」(和田さん・以下同)
そもそも震度5強を超える揺れの中での移動は難しく、机やテーブルまで移動するのも危険が伴うという。
◆状況を把握できるよう視界を確保しておく
つまり今回の答えは【B】だ。地震発生直後にまずすべきことは、低い姿勢をとり、揺れが収まるまで、その場にうずくまり頭をガードすること。
「落下物が頭にあたり、意識を失うと、次の行動に移せないので、まずはそれを避けなければなりません。座布団やクッション、枕など、身近にあるもので、とにかく頭を保護しましょう」
保護アイテムは、かばん、電話帳などの厚めの雑誌、フライパンなどでもいい。近くに頭を守れるものがない場合は、手で頭を覆うだけでもよい。子供であっても同様だ。大人が守れないときもあるので、揺れたらまず頭を守るよう教えておこう。
そして、頭をガードする際は、視界を遮らないこと。
窓ガラスなどの破片から身を守るため、頭からすっぽり布団をかぶった方がよさそうだが、それだと視界が遮られて、危険を回避しにくい。「地震発生時は、何が落ちてくるかわかりません。とっさに避けたり、周りの状況を見ながら避難するため、視界は必ず確保しておきましょう」備えあれば憂いなし。生き抜く術を身につけていこう。(2020.4.6(月) 7:05配信 NEWSポストセブン)
子供のころに教えられた地震が発生した時に取る行動は、今の常識では非常識というケースは多くあります。その時の行動が命を守れるかどうかの瀬戸際になります。常にアンテナを張り巡らせて新しい情報を入手できるようにしましょう。