東日本大震災で事業継続が困難になった教訓や首都直下地震への備えから、多くの企業が災害時に関西地方などで事業を継続するための準備を進めている。

清水建設は11日、都内の本社が地震で壊滅的な打撃を受けた想定で、関西支店に災害対策本部を初めて設置した訓練を実施。日本取引所グループ(JPX)は、株式売買のデータをバックアップするデータセンターを関東から遠隔地へ平成33年度以降に移転する方針だ。

「事業継続計画は大変重要な課題だ。災害が激甚化した場合、われわれ建設会社の役割は大きい。社会的な使命を担っていることを認識していただき、総力を挙げて対応してほしい」。清水建設の井上和幸社長は11日の訓練後、こう述べて、災害時の事業継続の備えの重要性を強調した。

今回の訓練は東京湾北部でマグニチュード8、最大震度7の大地震が発生したと想定。本社の代わりに関西支店(大阪市中央区)に設置された対策本部が全国の支店に対し、被災した本社や首都圏の支店への支援物資の手配などを行った。

大地震への対策は金融業界でも急ピッチで進められている。大災害時には金融市場で価格が急変動する場合がある一方、停電やシステム障害で取引ができなくなることも想定される。このため、JPXはバックアップセンターの整備のほか、取引を継続しやすくするため、売買を一時停止する基準も見直した。また、災害時には迅速な保険金支払いも求められることから、東京に本社を置く保険会社は、事業継続の施設を大阪市内に開設するなどの対応を行っている。

米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の日本法人(東京)は28年8月、東京で大災害が発生した場合も事業を継続できるように第2の拠点を大阪市内の大型複合施設に開設した。同社は東日本大震災で東京本社が被災し、大阪に一時的に本社機能を移転した経験があり、東京本社が機能しなくなった際は、保険の引き受けや保険金の支払いを大阪でも行える態勢を整備した。(2019.3.11(月) 20:02配信 産経新聞)

東日本大震災が発生して丸8年が経過してた現在においても震災関連倒産が発生しています。事業継続計画(BCP)の策定は思うように進んでいません。特に中小零細企業においてその策定率は限りなく0%に近いという現実。策定の必要性は理解しているのだけれども、人手不足、コスト、何よりも専門の知識がない、などなど・・・・。しかし国内における中小企業は全体企業数の99.7%、従業員数は4,488万人に達します。BCP計画の策定が必要なのは大企業よりも中小零細企業だと言っても過言ではありません。中小零細企業専用の事業継続計画策定が急務です!!