2019年に日本で観測された震度1以上の地震は1564回。そのうち、最大震度5弱以上は9回(※気象庁発表データより)。いかに私たちが地震の多い国に暮らしているかがわかるだろう。
では、自宅で揺れを感じたとき、どこに避難するべきなのだろうか。災害危機管理アドバイザーの和田隆昌さんは言う。
「以前は地震が起きたらすぐに外に出るべきだ、というのが常識でした。しかし、外へ移動する間に、揺れで転んだり、落下物に当たるなどしてけがをする可能性が高いことが判明。ようやく外に出られても、電柱が倒れてきたり、屋根瓦が飛んでくるなど、危険性は高く、外のどこにいたら安全か、とっさに判断がしにくい。リスクを冒してまで外に出るのではなく、まずは家の中の安全な場所に避難しましょう」
しかし家の中も、テレビや洋服たんす、冷蔵庫が倒れたり、照明が落ちてきたり、窓ガラスが割れたりと危険がいっぱいだ。どこがいちばん安全なのだろうか。
◆ドア付近や透過に物は置かないこと
家の中でいちばん安全だと思われる場所の候補として【A】トイレと、【B】玄関が考えられる。
【A】も【B】も倒れてくる家具もなく安全のようだが、【B】「玄関」が正解だという。
「昔の木造住宅では、トイレの四方に太い柱を設置していたので、トイレは地震に強いと思われていました。ところが最近の建築では、トイレの四方に柱がない家も多い。さらにドアがゆがんで閉じ込められる可能性も高いんです」(和田さん・以下同)
もし、トイレにいるときに地震に襲われたら、すぐドアを開けて逃げ道を確保しよう。
一方、「玄関」は倒れてくる物が少なく、一般的に造りも頑丈。阪神・淡路大震災のときも、家が倒壊しても玄関付近だけが残ったケースが多かった。すぐ逃げられるよう、玄関のドアは開け、その場で待機するのがおすすめだ。
「大地震の後は、いたるところにガラスや物が散乱し、はだしでは歩けません。玄関にいれば、靴をすぐに確保できるという利点もあります」 地震発生時に2階など、玄関から離れた場所にいる場合は、無理に移動しようとせず、揺れがおさまるまでその場で待機すること。その際、家具などが倒れてこない壁の近くや廊下にいるのが安全だ。また、避難経路をふさがないよう、ドア付近や廊下に物を置かないよう、普段から注意しておくことも大切だ。(2020.4.13(月) 16:05配信 NEWSポストセブン)
自然災害に対する行動基準はどんどん変化しています。昔の常識は今の非常識という事が多くあります。日頃から最新情報を入手するようにしましょう。