住所を入力するだけで、その場所の地盤の強さを点数化して表示するネット上のサービス「地盤カルテ」が話題だ
国分寺市86点、渋谷区70点、中央区や江東区が45点未満…東京の市町村別「強い地盤ランキング」53。大阪府の「強い地盤」ランキング63も。
「地盤カルテ」の点数は、
【A】地盤改良比率(補強工事の度合い)
【B】浸水リスク
【C】地震による揺れやすさ
【D】土砂災害リスク
【E】液状化リスク
の5指標を総合評価して算出。
地盤カルテを提供する「地盤ネットホールディングス株式会社」の独自データに加え、全国各自治体のハザードマップや国土地理院が作成したリスク区分などをもとに弾き出しているという。
「地盤カルテ」の特徴は、全国各地の地盤スコアをピンポイントで調べられることにある。そこで、多くの人が集まる場所を調べてみた。
世界一高い電波塔(634m)・東京スカイツリー(東京都墨田区)のスコアは40点。土砂災害のリスクは低いが、それ以外は全て4の高リスクとされる。
大阪のシンボルタワー・通天閣(大阪市浪速区)は65点と平均的。浸水、地震の揺れ、液状化のリスクがいずれも3(中)だ。
来年、東京五輪のメイン会場となる新国立競技場(東京都新宿区)は45点。大規模な地盤改良工事がニュースになったが、巨大な建築物は地盤に負荷をかけるだけに不安を感じさせる数値だ。
高スコアを残したのは政治家の集う国会議事堂(東京都千代田区)で、千代田区全体のスコア(59.96)を大きく上回る80点だった。
東京の海の玄関口である「豊洲市場」は40点。湾岸地域の埋立地ゆえ、地震、浸水、液状化と全てのリスクが4と高めだった。
「住みたい街ランキング」で毎年トップ10に入る吉祥寺駅周辺(東京都武蔵野市)は90点。
多くの政治家や著名人が居を構えた田園調布3丁目(東京都大田区)は80点。
対する西日本では、古くから超高級住宅街として知られる兵庫県芦屋市の六麓荘町周辺が同じく80点だった。両地とも高台にあり、安定した地盤の元で発展したようだ。
近年のタワマン人気で脚光を浴びた武蔵小杉周辺(神奈川県川崎市)はどうか。2019年10月に首都圏を襲った台風19号による豪雨で、同エリアのタワマンは深刻な浸水被害に見舞われた。そんなタワマン群近辺のスコアは45点。浸水と液状化リスクはいずれも4と高かった。
前出の山本氏が指摘する。
「武蔵小杉駅周辺は、昔から水はけの悪い土地で、人が住んでいなかった。だからこそ再開発ができたのです。地盤改良や堤防など最大限の対策はなされているものの、もともとの新興の街には地盤リスクが多い」(2020.12.16(水) 16:05配信 NEWSポストセブン)
地盤の固さは地震発生時の建物の被害頻度に直結します。その情報を知った上で住宅の購入や賃貸を検討することは災害から命を守ることにつながります。