台風15号の直撃を受けた千葉県で、被災者の弱みに付け込んだ悪徳商法の被害が相次いでいる。

報道によると、(1)屋根の応急措置としてブルーシートをはっただけで18万円を請求された、(2)勝手に屋根の工事をされ、25万円を支払ったーーといった事例が報告されている。

千葉県消費者センターにも、9月18日時点で悪徳商法が疑われる相談が9件寄せられているという。「ほかの人に相談したり、複数の業者の見積もりを比較検討したりして、慎重に判断してほしい」と呼びかけている。

●クーリングオフは工事後でもできる

熊本県弁護士会の鹿瀬島正剛弁護士(災害対策委員会委員長)によると、熊本地震のときも同じような消費者トラブルが起きていたという。「屋根や壁の修繕」と言って、業者が被災者宅を訪ねてきたのだ。

「地元のちゃんとした企業もあり、『営業=悪徳業者』というわけではありません。そこを誤解すると、かえって復興の足かせになってしまいます。ただ、『今日決めてくれ』など決断を急かすパターンは疑ってかかるべきです」(鹿瀬島弁護士)

被災していると冷静な判断ができないこともある。しかし、もし契約してしまっても争う余地はある。業者が営業に来たのなら「訪問販売」になる。「クーリングオフ」制度が使えるのだ。

「悪徳業者は、まず契約書は交わしません。書面がなければ起算日は始まりませんから、時間がたってもクーリングオフできます。『工事が終わってしまったら使えない』と誤解される方も多いのですが、工事後でも使えることは知ってもらいたいです」

ただし、業者が行方をくらましてしまえば、お金を返してもらうことは難しい。だからなのか、悪徳業者は地域外から来ることが多いようだ。

今回の千葉の台風では、大阪ナンバーの車でやって来た「リフォーム業者」を名乗る男たちから、ブルーシートを貼っただけで18万円を請求されたという事例も報じられている。

●悪徳業者は見積もりを出したがらない

消費者はどうやって悪徳業者かを見抜けば良いのか。

「素性を明かさない業者との取引は避けましょう。また、他社と比べられたくないので、悪徳業者は見積書を出したがりません。工事の内訳をきちんと出せば、キリの良い数字にはなりません。端数を丸めることもありますが、金額にも注意が必要でしょう」

千葉県弁護士会では9月17日から、台風15号に関する無料の「お困りごと相談」を始めている(043-227-8431)。トラブルにあったら電話してみると良いだろう。(2019.9.20(金) 10:16配信 弁護士ドットコム)

弱みに付け込む悪徳業者は絶対に許すことが出来ません。しかしながらそのようなことが実際に起こり、そしてなくならないことも事実です。どのようにしてそのような輩に引っかからないようにするのかを考えましょう。一番は地域コミュニティーの形成です。知らない人が入ってきたら一人で対応せず複数で対応するなどしましょう。