京セラは2日、世界初となるクレイ型リチウムイオン蓄電池を内蔵した新型の住宅用定置型蓄電システムを製品化すると発表した。長寿命で安全性も高く、生産コストを抑えることが可能という。来年1月に限定販売を始め、同年秋から約100億円を投じて滋賀県野洲市の工場で年約2万台の量産を始める。
この蓄電池は、電極層を液体ではなく、半固体の粘土状にしたのが大きな特徴。衝撃や過充電に強く、寿命保証は10年間から15年間に延びた。必要な部材は約30%減り、製造工程の簡素化とコスト削減が実現できるという。価格は未定で、既存の蓄電池製品に比べ安価に設定する方針。
住宅用太陽光発電の固定価格買い取り制度が今秋から順次終了するのに伴い、自家消費用として蓄電池のニーズが高まるとみられている。また地震や台風による停電が近年相次ぐ中、非常用電源としての需要も見込まれ、京セラは新型蓄電システムを戦略製品と位置づけて市場シェア拡大を目指す。
システムは蓄電池ユニット(横48センチ、高さ56センチ、奥行き28センチ)とパワーコンディショナ(電力変換器)、リモコンで構成。蓄電容量は1台5キロワット時で、最大3台つなげて15キロワット時まで拡大できる。
東京・日本橋での発表会で、同社ソーラーエネルギー事業本部の小谷野俊秀副本部長は「再生エネルギーのさらなる普及に全力を尽くしたい」と述べた。(2019.10.3(木) 8:50配信 京都新聞)
台風15号の影響で千葉県では停電が長時間発生しました。そのため自家発電機の問い合わせが多く、ホンダ製の発電機は納品が来年になる事態となっているそうです。今回発表された蓄電池は「長寿命で安全性も高く、生産コストを抑えることが可能」ということで大いに期待しています。