手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMの番組「防災FRONT LINE」。11月21日(土)の放送では、東北大学 災害科学国際研究所 所長の今村文彦さんに、「津波避難」について伺いました。
津波防災の日が制定されている11月は、“津波”について考えていきます。 津波で避難するときは、「遠く」よりも「高い」場所に避難する。これが鉄則です。例えば、津波避難ビルや高台、近くに高い山があれば登って避難するなど、が緊急に避難できる場所になります。
沿岸に行ったときには、津波発生に備えて避難できる頑丈で高い建物はあるか、事前に確認しておくことが大切であり、心がけたいです。
今村さんは、安全な高い場所で注目された避難場所として「近くの高台に建立された神社とかお寺があります。東日本大震災では、こちらに移動され無事に避難できた方も少なからずおられます。神社は建立してから1000年経過したところもあり、過去の大災害から生き残っている場所でもあると言えます。
東日本大震災も“1000年に1度”と言われているんですけど、その過去のものを参考にして建てられた場所は、安全な場所だったわけです。長い歴史のなかには先人の知恵と努力が残されていると言えます」と話しています。
神社本庁がおこなった調査によりますと、被災地にある数百年以上の歴史を持つ神社およそ100社のうち、直接的な災害を受けたのは2社に留まっています。 実際に、岩手、宮城、福島の各県で「神社に避難して助かった」という声を数多く聞いたと今村先生は言います。
また、神社やお寺だけでなく「石碑」から避難や災害の実態について学ぶこともできるそうです。 「“石碑が置いてある場所”というのはとても大切で、多くは津波から逃れた場所であったり、“そこまでいけば安全だ”という目安になる場所も教えてくれるので、大きな役割を持っていると思います。
なお、東日本大震災のように過去を上回る場合もあるので、自治体が最近作成した津波浸水図(最大クラス)などと比較することも必要です」 日本の沿岸部は、過去の歴史のなかで何度も津波被害を受けてきました。そのたびに地域の氏神として住民を見守り続けてきた神社は、災害のときの避難所として機能しました。
神社は地元の人に身近な津波防災の知恵を伝えてきたということですね。沿岸部にお住いの方は、あらためて近所の神社を見直してみてください。
最後に今村先生は「11月は津波について考えてほしい」と話します。
「被害を及ぼす津波というのは滅多になくて、経験とか当時の大切な教訓は薄れがちになってしまいますよね。私は“11月は津波防災を考える期間”と思っていますし、津波に備えるということは、洪水など、ほかの災害にも役立つはずです」 地震に備える、津波に備える、水害に備える、この備えは“災害の備え”としてつながっています。共通する備えや準備はたくさんあります。津波防災の日が制定されている11月に津波のときの防災について考え、それがどの災害の備えとつながっているか、考えてみるのも大切ですね。(2020.11.30(月) 7:40配信 Tokyofmplus)
東日本大震災で多くの尊い命が津波で失われました。その教訓としていち早く避難することを学びました。問題はどこに逃げるのかという事です。先日、逗子開成中学校の防災キャンプに参加しました。学校は海の近くにあります。徒歩で5分という距離です。子供たちが地震発生時にすぐに避難を開始することと、逃げる場所に迷わないという事はとても重要だと講義を行いました。