神戸市は、災害時に無料通信アプリLINE(ライン)内で人工知能(AI)を活用し、市民から収集した情報を地図上に表示する仕組みの導入に乗りだした。21日に市職員約150人を動員し、自治体として全国初の実証実験を行う。

AIは人間と会話やメッセージのやりとりを行うコンピュータープログラム「チャットボット」。対話を重ねると語彙が増え、会話が上達するなどの学習機能があり、同市は9月から、ごみ出しの問い合わせに対する自動応答で、試験的に導入している。

同市危機管理室は11月から3か月間、情報技術(IT)関連の民間人材2人を受け入れ、災害時に市民情報を活用するシステムの構築を進めている。

今回の取組は、市民が平時に、このチャットボットをLINEの「友だち」に登録しておく。災害時にはチャットボットから「状況はどうですか?」などの問いかけが届き、市民はスマートフォン(スマホ)などから「家が倒壊した」などのメッセージや写真を返信。スマホ位置情報を基に、個々の被災状況などが次々とパソコン上の地図に落とし込まれる。虚偽情報もできるだけ除去できるようにし、市民との情報共有ツールを目指す。

21日の実験は非公開で、阪神・淡路大震災における被害状況に基づき、市民役の防災関連職員らが情報を提供。導入に向け、使い勝手などを確認する。(2018.12.17(月)20:18配信 神戸新聞NEXT)

災害発生時に一番欲しい物は正確な情報です。一般的にはテレビ・ラジオなどのメディアから一方向に流されるもので、自分がいる場所のピンポイントの情報はほとんど入手できないという実態があります。今回の仕組みは市民からの情報提供をベースに構築されていて双方向のやり取りで必要な情報を提供する新しい取り組みです。