新型コロナの感染が懸念される今、地震や水害などの大規模災害が発生したら避難所の運営はどうするのか?いわゆる「3密」を避けるため自治体は難しい対応を迫られています。

長野県中部で相次ぐ地震。甚大な被害をもたらした台風。新型コロナの感染が懸念される今、大規模災害が発生したら…。

長野市長沼地区の住民:
「災害が常に心配される地区ですので、避難所が一番ですね。コロナ対策をしっかりやらないと」

松本市安曇の住民:
「コロナのことがあるので密集・密接、それが一番気になる」

早急な対策が必要なのは避難所でのいわゆる「3密」の回避です。

地震が続く松本市は…。

松本市・臥雲義尚市長:
「防災、ここにきて地震の問題も身近に起きているので、早急に検討進めていく」

松本市は災害時に宿泊施設を避難所に使えるよう、旅館組合連合会と協定を結んでいて、具体的な避難所の運営方法を検討することにしています。

一方、長野市は、今月8日、水害などへの対策に加え、避難所での新型コロナ感染に備えたチームを設置しました。

長野市危機管理防災課・山岸信一課長補佐:
「発災当初から多くの避難所を開設して、避難者を分ける。避難所で体育館だけでなく、教室を利用するなど方策が考えられる」

ただ、具体的な対策は、これからだとしています。

早急な対策が求められる中、県は、新型コロナ対策を盛り込んだ避難所の運営マニュアルを今月中にも市町村に通知する考えです。

避難所では、世帯やグループごとに間隔を、四方に2メートルずつ空ける。周囲は高さ2メートルほどの段ボールなどで囲い、飛沫感染を防ぐなどです。

長野県危機管理部・古越武彦課長補佐:
「体調の悪い方の使ったトイレと、他の避難されている方と使用する所を分ける」

発熱や咳など新型コロナの感染が疑われる人が出たときに備え、専用のスペースやトイレの確保も盛り込まれています。

長野県危機管理部・古越武彦課長補佐:
「密にならないようにホテル、旅館を使う際にどこにどのくらいのホテルがあって何人くらいが収容できるかが、ウェブサイト上で確認できる」

県は、このほど、各市町村の指定避難所や利用可能なホテル・旅館を一目でわかるシステムを導入しました。収容可能な人数などをリアルタイムに把握でき、市町村をまたぐ広域避難を円滑に行うために活用していきたいとしています。

長野県危機管理部・古越武彦課長補佐:
「手を尽くした中で車しかないよという方は、短期間であれば車で安全に過ごしていただくことも必要に」

新型コロナ終息までの措置として、車内での一時避難も一つの手段としています。
ただ、水分の摂取や小まめな運動などで「エコノミークラス症候群」を予防してほしいとしています。また、あくまで一時的な避難で避難生活が長期化する恐れのある場合は、避難所に避難してほしいとしています。

また、県は、可能な場合は親戚や友人の家などへの避難も検討してほしいと呼びかけています。(2020.5.13(水) 20:44配信 長野放送)

コロナ禍で避難所の運営や収容可能人数に大きな変化が急がれています。特に3密状態をつくらないことが大きな課題となっています。その対策として自治体では避難所内におけるパーソナルスペースを広げるなどを推進しています。そのことで収容人数が減少する対策としてホテル・旅館などの施設の利用を検討しているようです。しかしながら大切なことは個々の対策です。在宅避難が可能にできるように準備をしましょう。それでも自宅が被災し生活ができない状況を想定してご友人やご親戚に事前にお願いしておきましょう。