ヘリコプターは、航空機のように長い滑走路や広大な土地がなくても離着陸できる機動性の高さが大きな強み。しかし、みんながどこにでも自由気ままに離着陸してしまったら大混乱で危険です。日本では航空法の下で、ヘリコプター専用に整備された離着陸場があります。「ヘリポート(ヘリ発着場)」や「ヘリパッド」と呼ばれます。
ヘリポートには2つの種類があります。1つは「公共用ヘリポート」。公共機関のヘリコプター、報道ヘリ、民間企業のチャーター便など、さまざまなヘリコプターが日常的に離着陸します。いわばヘリコプター専用の空港です。
もう1つは「非公共用ヘリポート」です。建物や土地の所有者が用途を限定してヘリポートを作る場合はこちらに当てはまります。例えば、消防署の屋上に消防ヘリ専用のヘリポートを作る、なども少し意外ですがこれは「非公共用」になります。この他、高層ビルの屋上や学校の校庭など、特定の場合にのみ使える「緊急離着陸場」や「防災対応離着陸場」という場所もあります。
ヘリポートには「H」マーク では「R」マークは何?
地図や航空写真、Google Mapsなどで街を上から見ると、普段見上げている大きなビルなどの屋上に大きな「H」の文字が書かれていることがあります。これが緊急離着陸場です。ドクターヘリによる緊急搬送、災害時の支援物資の搬入などに使います。ドラマや映画などで見たこともあると思います。
しかし、さらによく探すと「H」ではなく、同じような体裁で「R」マークが描かれていることもあります。これは何でしょう。実は「R」のマークの場所には「ヘリコプターが着陸してはいけない」のです。Rマークはレスキュー(Rescue)の略で、「緊急救助用スペース」を示します。
街を飛ぶヘリコプターにもいろいろありますが、ドクターヘリに使われる機種はおよそ3トン前後もあります。ヘリコプターが入れるスペースこそ確保できるとしても、これだけの重量がある物体が着陸する衝撃に耐えられる建物ばかりではありません。しかしヘリコプターはホバリングができます。「R」マークの場所では、ヘリを着陸させることはできないものの、ホバリングで、例えば火災発生時に屋上まで逃げてきた人を救出することができます。
一見よく似ていますが、意味はかなり違います。しかし「R」も同じように非常時に活躍する大切な場所なのです。(2019.12.12(木) 12:15配信 ねとらぼ)
災害が発生したとき防災ヘリは救援・救助活動に欠かせない機動力です。そのヘリの機動力を確実に活かせるようにルールがあります。みなさんも豆知識として覚えておいてください!!