毎年のように大きな災害が発生し、非常時の備えの必要性をひしひしと感じる今日この頃。 停電時の電力供給源として強い味方になってくれそうなのが、大容量のバッテリーを備え、コンセントを使う家電にも対応したポータブル電源です。実際にどのくらい使えるのか試してみました。
120,000mAhの大容量ポータブル電源
今回使用したのは、Lacitaのポータブル電源「エナーボックス」。120,000mAhの大容量で、ACコンセントとUSBポートを各3口備え、最大消費電力400Wまでの電化製品に給電を行えます。 本体の充電は、付属のACアダプターを使って約7時間。バッテリー残量は5つのランプで判別することができます。 また、車のシガーソケットから本体を充電できるカーチャージャーも付属しているので、「自宅は停電しているけれど車のガソリンはある」といった状況でも電力を確保できそうです。
最大400Wで動かせる家電は?
10月下旬の週末、停電を想定してこの電源だけで生活してみました。 天気のよかったこの日、朝のうちは窓からの自然光で照明をつける必要もなく、スマホやノートPCも本体の充電が十分にあったので、非常電源を使うことなく過ごすことができました。
最初の難関は昼食です。このポータブル電源で使える電気製品は、最大消費電力400Wまでのもの。
自宅にある調理家電を調べてみましたが、電気鍋や電気ケトルは出力数がオーバーしていて無理そうです。
いろいろと探してみたところ、押し入れに眠っていた3合炊きの古い炊飯器に280Wとの記載が。どうやらこれなら使えそうです。
白米2合を炊いてみました。 スイッチを入れて少し経つとポータブル電源本体のファンが回り始め、普通に電源をとった場合と同じ1時間で炊飯完了。ご飯の状態も問題なく、しっかり炊けています。
ただし、バッテリー残量のランプは「5」から一気に「2」へ低下。まだ午後の早い時間なのに、少し心許なくなってきました。
ハロゲンヒーター使用で残量はゼロに!
夕方になり、外が暗くなってきたので照明をつけることに。
今回は、LEDのミニレフ電球を取り付けたクリップライトを使いました。6畳の仕事部屋なら、これで十分明るさを確保することができます。
さらに、スマホとPCのバッテリーも減ってきたので、USBポートにつないで充電を行いました。
夜になると、少々肌寒くなってきました。暖房器具が欲しいところです。我が家で使っているハロゲンヒーターは、「弱」モードなら330W。このポータブル電源で使うことができます。
ヒーターはしっかり通電し、暖をとることができましたが、約30分でランプが点滅を始め、その後点灯がゼロに。
120,000mAhを使い切ってしまいました。 やはり、ヒーターのような消費電力の大きな家電は、使える時間が短いのが難点ですね。
ちなみに後日、電気毛布の「弱」モードで試したところ、フル充電の状態から2時間使っても残量ランプは「5」のままでした。
こちらはかなり長い時間使えそうです。 非常時の寒さ対策で使う場合は、利用時間をできるだけ延ばすためにも、電気毛布などの出力の小さめの暖房器具を選ぶのが安心かもしれません。
電力源を分散させる工夫も必要
1日使ってみて、普通のモバイルバッテリーでは使えない小型家電を動かせる安心感は大きいと感じました。
とはいえ、今回、炊飯やヒーターで大きく残量が減ったことからわかるように、「これがあるから大丈夫」と過信するのはやめたほうが良さそうです。
たとえば、ポータブル電源はコンセントからの給電が必要な家電だけに使い、USB充電できる機器には別に用意した大容量のモバイルバッテリーを使うなど、電力源を「分散」させる工夫も必要かもしれません。(2020.11.8(日) 20:01配信 Lifehacker)
当たり前のことですが、ポータブル電源は電気でなければ動かないものに使用が制限されます。例えば食に関してはカセットコンロとガスボンベを用意してガスで対応するなどしてポータブル電源はどのようなシーンで使うのかを想定しましょう。