2018年7月の西日本豪雨で大きな被害を受けた広島、岡山、愛媛の3県で、住民の約8割が災害時、新型コロナウイルス感染への懸念から不特定多数が密集する避難所に逃げるべきではないと考えていることが、県立広島大(広島市南区)の意識調査で分かった。

感染拡大により避難所を敬遠する傾向が浮き彫りになった。

避難意識の低下につなげないよう、避難所の感染リスクを下げる取り組みが急務だ。

豪雨から2年になるのを前に6月22、23日、住民の避難意識に関するインターネット調査を東京の市場調査会社の協力を得て実施。

3県の対象者計約1万人のうち、20~79歳の男女計9375人(広島5633人、岡山2375人、愛媛1367人)から有効回答を得た。

不特定多数が密集する避難所への避難を巡っては、「避けるべきだ」との考え方が「非常に当てはまる」「当てはまる」「やや当てはまる」としたのは計82・2%に上った。

また、79・4%が国や自治体に感染症対策をした避難所を用意するよう求めた。

コロナ禍で最も避難する可能性が高い場所も問うた。

「自宅以外に避難可能な場所はない・避難しない」が34・5%と最多で、避難意識の低下がうかがえる。

「自宅や近隣施設の上階」(25・0%)

「地域の指定避難場所」(17・3%)

「家族・親戚方」(12・0%)などと続いた。

分析した同大大学院の江戸克栄教授(防災マーケティング)は「みんなで避難所に逃げるという従来の避難の考え方が明らかに変わった。感染防止が避難しないことを正当化する可能性がある」と警鐘を鳴らす。上階に逃げる垂直避難など、自宅にとどまりたいと思う人が増える傾向にあり「ハザードマップに加え、自宅の階数や構造などを加味した避難先の安全性の指標も開発する必要がある」と提言する。(2020.7.3(金) 8:30配信 中国新聞デジタル)

コロナ禍の中、防災に対する意識が大きく変化しました。特に避難所に関することはこの記事の通りです。しかしながら避難しないという割合が最多になっていることは大きな問題です。避難しなければなれない状況になった時、どこに避難するのかを日ごろから検討しておきましょう。避難しなかった結果、救助活動等で第三者の命を危険にさらすこともあるのですから。