集中豪雨で多くの人が避難所に身を寄せた福岡県の筑後地区。新型コロナウイルスの影響で、各避難所は受け入れ人数を従来より減らすなど感染防止に備えたが、想定の数倍の住民が殺到した大牟田市では、現場が一部混乱。

久留米市でも避難所を増設するなどして対応した。一部では、間仕切りや段ボールベッドの不足など課題も浮き彫りとなった。

「全員検温する段取りだったが避難者が多くてさばききれず、できない避難所もあった」。大牟田市防災対策室の栗原敬幸室長は率直に認める。

市は感染防止に向けた運営方針で、検温で熱がある住民の動線を分けて別室に誘導したり、個人の間隔を広くしたりすることを決めていた。収容可能人数は従来の7分の1程度になるが、最近10年の風水害時の避難者数は最大計260人で、新たな避難所を探しながら乗り切る算段だった。

ところが集中豪雨に見舞われた6日深夜、30カ所の避難所に最大計1860人が押し寄せた。うち216人が集中した三川地区に近い天領小では、受け付けに長い列ができた。担当職員は「体育館は、個人ごとの十分な間隔を確保できなかった」と打ち明ける。10日深夜は住民46人が、体育館だけでなく教室も使って個人ごとの間隔を確保した。

久留米市は6月に作成したコロナ対応の避難所開設・運営マニュアルに基づき、1人当たり4平方メートルを確保して「3密」を避けることや、消毒やマスク着用などの衛生対策の徹底に取り組んだ。避難所は1校区1カ所が基本だが、広範囲の冠水で多数が避難した北野、城島校区では、避難所を2カ所に増やして避難者の分散を図った。

一方、大牟田市は段ボールベッドと間仕切りの計600セットを用意していたが、避難所によっては不足した。30セットが配備されていた天領小では職員が組み立てに慣れておらず、一部しか使えない事態も。

段ボールベッドは大きいために保管場所を確保できず、増やすことも困難という。

栗原室長は「長雨はさらに続く見通しの中で、避難所運営の課題は山積しているが、解決策は見つからない」と頭を抱えた。(2020.

7.13(月) 10:01配信 西日本新聞)

現場では想定外のことが発生します。特にコロナ対策に対してはすべてが探り探りの中でのことなのでなおさらです。過去に起こった災害時の避難所運営は避難された方も協力してOneチームで難局を乗り切ったところが多くありました。自治体の方だけではなく避難されてこれらた方にも協力をお願いすれば人で不足については解消できるのではないでしょうか。