日本の防災対策が大きく変わる「節目」になるかもしれない、そんな提言がまとまりました。

これは、今年7月の西日本豪雨を踏まえて、政府有識者による作業部会がまとめた提言の中の一節です。

「皆さんの命を行政に委ねないで。行政は万能ではありません。」行政ができることには限界があると、いくつもの文章がつづられています。

「西日本と東日本では、記録的な大雨となるおそれがあります。」(気象庁の臨時会見 今年7月)

西日本豪雨では、気象庁や自治体など、行政から早い段階で、さまざまな情報が発表されましたが、住民の避難行動に必ずしも結びつかず、200人以上もの死者・行方不明者を出す平成に入って最悪の豪雨災害となりました。

作業部会は、近年、地球温暖化に伴い、雨の降り方などが激しくなっていることもあげ、国や自治体がかかげる対策には限界があり、今後の防災対策をこれまでの「行政主導」から「住民主体」に転換する必要があるとの提言をまとめました。住民に、「自らの命は自らが守る」との意識を持ってもらう一方、行政に対しては、「住民が適切な避難行動をとれるよう全力で支援する」ことを求めています。

情報では命を救えないのではないか。本当に最後、逃げていただかないと助からない(作業部会主査 田中淳 東京大学教授)

この提言について、被害の最も大きかった地域の一つ、岡山県倉敷市真備地町の住民は・・・・・「(責任を)丸投げというふうに聞こえるので、どうなんって」(倉敷市真備町の住民)

提言には、災害発生の危険度と住民に求められる行動とを5段階で示すことなども盛り込まれ、「避難勧告」や「避難指示」は、危険度が上から2番目の「レベル4」に位置付けれらました。(2018.12.26(水)20:01配信 TBSNEWS)

このニュースを見て東日本大震災を経験した自治体として、今後防災の取組をしていくうえでの一番のポイントは?と聞かれた仙台市危機管理室の減災推進課長が言われた言葉を思い出しました。

仙台市の職員は約1万人ですが、東日本大震災では、全員がフルで働いてもまったく対応できませんでした。大規模災害が起こったときには、人員が足りないのです。そのため、市民や県民の方々に「行政と一緒になって災害に臨むんだ」という姿勢で備えていただくことが不可欠だと、強く認識しました。以前は「何かあれば行政が全部やりますよ」というスタンスでしたが、自治体が持っている設備にもマンパワーにも限界があるので、市民の方々のお力をお借りしなければ災害・応急対策は進んでいかないのだとしうことを、お伝えしています。最初のうちはやはり、「それは行政の仕事じゃないか」といった反発の声もありましたが、今では少しづつではありますが、市民の皆さんの理解も進んでおり、良い関係性を築けてきています。

「一番のポイントはやはり、行政が地域の方々と連携し、一緒に災害に対応していくための仕組みや体制を構築しておくことです!!」

防災の基本は自助です。それは自分の命は自分で守るという事です。子供であろうともそれは同じなのです。なぜなら地震発生時にあなたが子供の近くにいるという保証はどこにもないのですから・・・・・