こんにちは、スタッフのチャナです。災害級の暑さが続いています。地球が悲鳴をあげているのでしょうか。いろいろな災害対策がマスコミでも取り上げられていますが、ほとんどの方が実践しているのが食料の備蓄です。

「オレンジページくらし予報」では、国内在住の20歳以上の女性を対象に「防災時の食料備蓄」について調査しました。「ローリングストック」という言葉について意味までは知らない人は53.3%で、浸透度はあと一歩。それでも、「災害を意識した食料品の買い置き」は67.5%の人が実践していて、食料備蓄に対する意識は高いことがわかりました。ただし、その中身はというと、備蓄量が不足していたり、栄養やおいしさまでは配慮していなかったり、まだまだ見直しの余地がある様子。災害だけでなく新型コロナウイルスへの備えも必要ないまだからこそ、本当に役に立つストックとは?日本の家庭における食品のストック状況から探っていきます。

■「ローリングストック」意味まで知らない人が53.3%
ローリングストックとは、日常生活の中に食料備蓄を取り入れる考え方のこと。日ごろから水や食品を多めに買い、定期的に消費と買いたしを繰り返すことで、いざというときの賞味期限切れや備蓄不足を防ぐメリットがあります。度重なる災害やコロナ禍での外出自粛により、日常に取り入れられる防災対策のひとつとして注目が集まっています。回答者のローリングストックに対する認知度を見てみると、意味までは知らない人は全体の半数以上。メディアの防災特集などでよく取り上げられているわりに、浸透率はあと一歩の様子です。
「災害を意識した食品の買い置き」は67.5%、「買い置きを使ったあと買いたす」は53.1%が実践していて、程度の差はあれど、多くの人が日ごろからある程度の食料備蓄を意識していることが分かりました。

■ わが家の食品ストック、自己採点の平均は42点。「ストック量」に不安あり!?
食料備蓄への意識は高い人が多いものの、食品ストックに対する自己採点の平均は42.0点とかなり低め。自由回答を分析すると、必要なストック量がわからないことに不安を抱いている人が多いようです。
一般的に、食料備蓄は家族の人数×3日分の量が必要といわれています。しかし、自分のストックがその量に「足りていない」という人は、53.0%と半数以上。また、水については一人につき1日何リットルが必要だと思うか聞いたところ、適正量の3リットルと回答した人は26.4%どまり。2リットル以下と回答した人が64.0%もいて、水のストックも足りていない人が相当数いると推察されます。 また、新型コロナウイルスによる外出自粛期間中、「ストックしておけばよかった」と思う食品があった人が35.2%いたことも影響しているのかもしれません。
食料備蓄の必要性は感じているし、それなりにストックもしているけれど、どのくらいの量が必要かなど、明確な基準をもって実践している人は思ったより少ないようです。

■ 空腹だけではなく、「栄養」や「気持ち」も満たすストックへ!?
ストック率が高い食料は、保存性が高くすぐに食べられる缶詰が84.0%でトップ。中身はツナ缶や魚缶、フルーツの缶詰などの定番品のほか、自由回答を見るとシチューやパンの缶詰も備蓄している人が多いことが判明。また、乾麺も3位、インスタントラーメンは5位にランクインしていて、お腹を満たす炭水化物はストックしている人が多い模様です。
一方、健康維持の助けになる食品のストック率は、1位の野菜ジュースや2位のビタミン剤・サプリメントでも20%台で、栄養のバランス面まであまり意識していないことがわかりました。また、常備しているおすすめの食品ストックを聞いたところ、「個包装のグラノーラバー。ビタミン、ミネラルがとれて、味もいろいろ」(50代・専業主婦)、「個別包装の餅・パウチ容器のゆであずき・非常時の甘味は、心のやすらぎになる」(40代・専業主婦)など、「味のバリエーション」「嗜好性」にも目を向けた食品をあげる人が目立ちました。

豪雨や台風、地震などの度重なる自然災害に加え、新型コロナウイルスによる外出自粛への備えも必要となった現在。日常生活のなかに食料備蓄を取り入れるローリングストックなら、「ふだん食べなれたもの」を何品か用意することができ、これまで以上に重要性を増しています。とりあえず「おなかを満たす」ストックから、家族の人数や味の好み、栄養のバランスにも配慮するという視点が必要になるでしょう。時代の変化とともに、食料備蓄もこれまでの当たり前を見直す節目を迎えているのかもしれません。