9月1日は「防災の日」。

年に一度の防災週間には、自宅で備えるべき防災品や備蓄品を改めて確認したいところ。そこで今回は、防災教材の開発や防災訓練を実施し、幅広い世代に防災の知恵や技を普及している「NPO法人プラス・アーツ」の石田有香さんに、実際に台風や地震で被災された方の意見も参考にした必要な備蓄品について聞いてみた。

 ■自宅に備えておきたい基本の備蓄品12選!

災害が発生すれば、電気やガス、水道などのライフラインがストップしてしまう。「ライフラインが止まれば、非日常の生活が始まります」と石田さん。

例えば、避難所へ行けたとしても収容人数の上限があったり、プライバシーや衛生上の問題も。

さらに、災害直後は流通に被害が出て、被害者数も多いため、食料をはじめとした物資がなかなか届かないということも想定されます。

また最近は感染症対策の観点から、自宅の安全が確認できている場合はできるだけ自宅で生活するという“在宅避難”が内閣府から推奨されています。そこで、自宅に置いておくべき備蓄品として進めたいのはこの12品です」

■自宅に備えておきたい基本の備蓄品

1.ポリ袋(45Lほどの大きなもの、キッチン用の小さいポリ袋もあると便利)

2.新聞紙

3.体拭きウェットタオル

4.ラップ

5.カセットコンロ・ボンベ

6.クーラーボックス

7.携帯ラジオ

8.非常食

9.水

10.携帯トイレ

11.LEDランタン(ヘッドライト)

12.口腔ケアウェットティッシュ

「まずは“灯り”の備えが第一。特に停電時には灯りがないと何もできませんし、灯りがあるだけで精神的な安心に繋がります。懐中電灯は片手が塞がって不便だったという声も多く、床に置いて部屋全体を照らせるタイプがおすすめ。キッチン、リビング、トイレの3箇所に置いておくと安心です」

「新聞紙は折り紙の要領で箱を作り、ポリ袋をかぶせるとお皿代わりになります。強度が気になる場合はダンボールなど硬い素材のものを下に置いてお盆のように使うのもコツ。また、寒い時はくしゃくしゃにした新聞紙を体に巻くとダウンのような役割を果たしてくれます」

■非常食は「ローリングストック法」で備える

非常食は備えていても、「気が付けば賞味期限が過ぎてしまった!」なんて失敗も多いはず。そこで、石田さんは日常的に食べながら備えることが重要であるという。

「非常食の賞味期限を意識しながら準備するために、日常的に食べておくことが大切です。まず12食分を準備し、1ヶ月に1回食べて、それを1年続ければ賞味期限を切らすことなく安心して備蓄できます。これが“ローリングストック法”。

1年で12食分がそっくり入れ替わるため、賞味期限が1年程度の一般的なレトルトやフリーズドライ食品もラインナップに入ってくるので、選べる幅も広がります」

ローリングストック法の考えを用いれば、フリーズドライ食品のスープやシチュー、どんぶりの素、パスタ、カレーなど、緊急時も好みに応じた備蓄が可能に。

日常の忙しさからついつい後回しになってしまいがちな、いざという時のための備蓄品。

「防災の日」をきっかけに、非常食をはじめとした防災グッズを見直してみよう。(2020.9.1(火) 7:30配信 walker+)

アートやクリエイティビティを導入した防災教材が話題の「NPO法人プラス・アーツ」の石田有香さん

コロナ禍で在宅避難が推奨されている今、自宅内備蓄や防災対策はとても重要です。まずは災害に強い自宅造りが必要です。自宅が被害を受けてしまうと在宅避難ができなくなります。次に家具転対策を行い、最後に備蓄です。ご家庭ごとに必要なものを10日分を目安としましょう。また、食料はローリングストックを活用して消費期限が切れないようにしましょう。