阪神・淡路大震災の時、犬は26.2%、猫は39.5%が地震の前にいつもと違う異常行動をとったという。猫たちには地震を感知する能力があるのか? 猫の持つ不思議なパワーに迫る。

地震発生前の動物の前兆行動について研究している東京農業大学教授の太田光明さんは話す。「地震前に見せる動物の行動として、犬の場合、吠えることが多い。これは飼い主に異変を知らせていると考えられます。一方、猫の場合は、外へ逃げようと家の中を走り回る子が多い。」猫は自分の身に危険が迫った時、“逃げる”ことで危険を回避するという。危険を感知してこの場から逃げようとするも、今は大半が完全室内飼いなので、外に逃げられない。家の中を走り回るしかないというわけだ。

◆飼い猫より野良猫の方が地震の感知能力が高い!? 

では猫はどのようにして地震を感知しているのか。地震直前に発生する電磁波を感じ取っているのではという説もあるが、残念ながらまだ明確なメカニズムは解明されていない。「猫のすぐれた聴覚と嗅覚が関係しているとにらんでいます。猫の嗅覚は人間の約100万倍以上。猫は人間にはわからないにおいの変化や、地殻、水位の変化による振動や音などを感じ取っているのではないかと考えています」 猫が地震を感知できる範囲は、震源地の最大半径250km。異変を感知する能力は、メスよりオス、血統種より雑種、飼い猫より野良猫の方が鋭いそうだ。

動物たちの地震を感知する能力については、少しずつ解明されてきてはいるが、これを活用する具体的な手段は確立していない。猫が異常行動をとったから必ず大地震が来るとは限らない。最後に身を守るのは自分自身。日頃から防災対策は万全にしておくのに越したことはない。(2019.2..4(月)7:00配信 NEWSポストセブン)

日本では昔から、ナマズが暴れると地震が来るなど、地震と動物をめぐる迷信めいた話がたくさんあります。動物は人間にはない能力がたくさん備わっていることは周知の事実です。自然界で命を守る事は一番重要なことで、その為の能力が優れていることは理解できます。