災害避難時の新型コロナウイルスの感染防止のため、熊本市は27日、感染後に陰性が確認されて退院した人や濃厚接触者が避難する専用の「保健避難所」を市内全5区に開設すると発表した。

記者会見した大西一史市長は「(2016年4月の)熊本地震では、避難所でのインフルエンザや感染性胃腸炎などの対策が課題になった。これらを踏まえて考えたので、(他の自治体などの)参考になれば」と話した。

保健避難所は、退院から4週間以内か、感染者との濃厚接触から2週間以内で、健康観察中の人が対象。感染者は指定医療機関で対応する。

公共施設を使用して各区に1カ所設け、合計数十人の収容を想定。足りない場合は、広域の保健避難所を2カ所設け市全体の収容規模を100人程度にまで増やす。さらに必要な場合はホテルや旅館の活用も検討する。

保健避難所の対象者のうち、自宅で安全確保できる人はそのまま待機してもらうが、希望者には保健所職員が避難所の場所を知らせる。避難所では、利用者同士が接触しないように配慮し、保健師が常駐・巡回して運営する。

大西市長は「国は指定避難所のスペースを広げるよう求めているが、健康観察中の人を同じ空間の中に置くと感染リスクが高まる。保健避難所として独立させた方が、避難する人も安心する」と強調した。(2020.5.27(水) 18:50配信 毎日新聞)

これまで想定されていない考え方です。今回のコロナウイルスに伴い創設された「保健避難所」、このような取り組みが全国的に広がることを期待しています。