25年前、阪神淡路大震災で自宅が全壊したのをきっかけに、災害医療に目覚めた辻直美さん。以来、災害レスキューナースとして長年多くの被災地で活動してきました。

トイレマットやバスマットは廃止。暮らし上手がやめた家事

「シンプルな暮らしを目指すことが、じつは防災につながる」と話す辻さんに、自宅で実践している防災術を教えてもらいました。シンプルに暮らせば、防災もかなう。「いつのまにか防災になっている暮らし」とは

防災対策した家というと、要塞のようなイメージをもつ人も少なくないと思いますが、辻さんのお部屋はシンプルだけどちゃんと生活感があります。

2018年の大阪北部地震で被災した際も、キッチンで調味料のボトルが4本倒れただけで、ほとんど被害はなかったそう。一方、マンションのお隣さんは割れた食器が床を埋めつくすほど。普段の対策の有無で、いざというとき大きな差が出ます。

「ものがたくさんあると、被災したときの片づけが大変です。なにがどこにあるかわからない、寝ることもできないと、どんどん負のループに陥ってしまいます」と辻さん。
シンプルな暮らし=防災対策というのは、そういう理由からです。

<辻さんの防災術>
・ものを減らす
・防災専用のものはなるべく買わず、代用できるものを選ぶ
・100円グッズも活用し、大きな手間はかけない

具体的に、日々やっていること、インテリアで気をつけていることを伺いました。

■タオルを減らして、手ぬぐいを増やす

キッチンに置くタオルは手ぬぐいにして、ぼろくなってきたらぞうきんに。

「手ぬぐいは、マスクや止血にも使え、汎用性があるので、タオルを減らして手ぬぐいを使っています。おみやげに選ぶことも増えました。バスタオルを全部やめて手ぬぐいに、とまでは言いませんが、普段の生活から取り入れることをぜひおすすめします」

■寝る前に片づけルーティン

阪神・淡路大震災ではブラウン管テレビが飛んできて顔を切ったという辻さん。出しっぱなしのものは地震が起きたら「飛ぶ凶器」になります。そこで夜21時になると「蛍の光」をかけて、子どもと一緒にリビングをきれいにリセットします。

「『片づけなさい』と口で言っても、子どもはなかなかやってくれません。どんな音楽をかけたら子どもたちが自発的に気持ちよく片づけてもらえるのか、何度もトライ&エラーを積み重ねた結果、わが家では『蛍の光』が定番に」片づけ術の定番、「ものを使ったら定位置に戻す」は、防災にも有効なのです。

■インテリアとしてアロマキャンドルを飾る

災害用のロウソクを特別に用意するのではなく、普段からお気に入りのアロマキャンドルを飾っているという辻さん。「停電時に明かりの代わりになりますし、被災下はお気に入りの香りを嗅ぐことで、メンタルが安定する効果もあります」

■食器は割れるもの。高価なものは買わない

特別なこだわりがないなら、割れにくいお皿を使うのもひとつの手。「私も阪神淡路大震災で被災する前は、リチャード・ジノリのカップなどを集めていましたが、全部割れてしまいました。今は100均やニトリで安くてかわいいお皿が売っています。ちなみに山崎パン祭りのお皿とモロゾフのプリン瓶は最強で本当に割れません」

■玄関マットは置かない

「玄関マットは逃げるとき足を引っかけたりしたら危険なので置きません。また、ゴミ捨てに行くときでも必ずスニーカーを履きます」ただし、キッチンマットはお皿が割れたときを想定して置いているそう。

■買い物をするときは箱の定数を守る

「買い物をしてものを増やすときは、決まった箱におさまるよう、なにかを捨てるのが習慣。“入らない”という状態のために新しい箱は買いません」箱の把握ができていると、在庫管理もしやすくなり、特売に飛びついたり無駄買いもなくなりました。

「昨年は九州北部豪雨や台風19号など災害の多い1年でした。2019年は意識改革の年。2020年は実現の年だと思います」と辻さん。

辻さんの著書『レスキューナースが教えるプチプラ防災』(扶桑社刊)では、ほかにもおすすめの100円防災グッズや、避難の方法、災害時のクッキングなどを詳しく紹介しています。こちらもぜひ防災の参考にしてみてください。(2020.1.17(金) 20:40配信 ESSEonline)

この一言に尽きると思います。「2019年は意識改革の年。2020年は実現の年」まったくもってその通りです。