新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、外出自粛となっている今。もしも、大きな地震が発生したら、どこに避難すべきなのか。

【A】避難所に行く、【B】在宅待機、のどちらが正しいのだろうか─

「狭い場所に多くの人が集まる避難所は、密閉・密接・密集のいわゆる“3密”を代表するような場所であり、コロナに限らず、あらゆる感染症が広まりやすい場所です」 とは、災害危機管理アドバイザーの和田隆昌さんだ。

ただでさえ、避難所の生活はストレスが多く、疲労もたまりやすいため免疫力が低下しやすい。さらに、ウイルスに負けない抵抗力をつけようにも、食料不足で充分な栄養を摂りづらい。

東日本大震災や熊本地震の際も、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症が避難所で発生したという。「これまでも避難所では、手洗い・手指消毒の徹底、定期的に窓やドアを開けて換気を行う、発熱がある人は個別の部屋を用意するなどの感染症対策を行ってきました。

ただコロナの場合、無症状なケースもあり誰が感染しているかわからないので、知らないうちに避難所で感染が拡大してしまう可能性も。自治体や専門家の中には、いまの状況では避難所を開設できないのではと、懸念している人もいます」(和田さん・以下同)

つまり【B】「在宅避難」が妥当となる。ただし、あくまで自宅が倒壊する恐れや、津波に襲われる可能性がない場合に限っての話だ。

「在宅避難とは、地震発生後も避難所に行かず、自宅で生活を続けることです。自宅の被害が少なく、危険な状態でなければ、避難所に行く必要はありません。特にいまは避難所に行かない方が安全かもしれません」

4月7日に内閣府が通知した「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」の中でも、避難所が過密状態になることを防ぐためにも、可能な場合は、親戚や友人の家などへの避難を検討するよう呼びかけている。

「集団感染が怖くて避難所に行けず、かつ、自宅が危険な場合は、車中泊やテント泊も視野に入れておくとよいでしょう。いずれにせよ、1週間程度は備蓄でまかなえるよう、水・食料・非常用トイレ・生活用品・衛生用品などを準備しておくと安心です」

いまは天災が重ならないことを願うばかりだ(4/30(木) 7:05配信 NEWSポストセブン)

コロナが蔓延しているからではなく、在宅避難が基本であることをベースに防災対策を進めていきましょう!!