地震や台風、「数十年に一度」の大雨など、自然が猛威を振るう災害が近年多く発生しています。もし今こういった災害が自分の身に起きたら、生活を立て直すためのお金を用意することはできるでしょうか? 今回は、災害時に役立つ火災保険について解説します。

自然災害から家を守る「火災保険」

持ち家の方も賃貸の方も、もしもに備えて火災保険に加入しているという方は多いのではないでしょうか? 火災保険で保障できるのは、実は火事だけではありません。契約内容によっては、強風で屋根が飛んでしまったときの「風災」、大雨で床上浸水したときの「水災」、地震や津波で家が壊れたとき、家が壊れて住めないときの宿泊費や職場までの交通費、パソコンに飲み物をこぼして壊したときの修理費なども保障されることがあります該当する特約を付けているかどうかが重要なのですが、火災保険は「家の契約時にすすめられるがまま加入したので、中身はよく覚えていない」という方もいます。この機会に一度、自分の保険がどんなときにどこまで保障してくれるのか、確認してみるとよいかもしれません。

火災保険で確認すべきポイント

火災保険の内容をチェックする際、特に間違えやすく気を付けておきたいのが、水に起因する損害です。

・台風、高潮、洪水で床上浸水した
・上階からの水漏れで被害を受けた
・自分の部屋が起こした水漏れで下階に損害を与えた

これらは全て水に起因する損害ですが、一つ目は「水災」、二つ目は「水漏れ」、三つ目は「個人賠償責任」、それぞれ別の特約で保障されます。全て保障されるようにするには、三つの特約を付けておく必要があるのです。まれに、マンションの高層階に住んでいるのに、水漏れの特約と間違えて床上浸水しか保障されない特約を設定している方を見かけます。また、水漏れを起こしたときに、個人賠償責任特約が使えると気付かないまま、自費で弁償してしまうケースなども考えられます。ちなみに、個人賠償責任特約は水漏れに限らず、自転車事故で人や物を傷付けてしまった場合、飼い犬が人をかんだ場合、買い物中に商品にぶつかって壊してしまった場合など幅広く使えます。賃貸の方でも、半自動的にこの特約が付帯されていることもありますので、確認してみてください。あとは、保障されるのが建物だけなのか家財(家の中にある家具や家電など)も含んでいるのか、地震保険は付いているかどうか、なども改めて見ておくとよいでしょう。
地域のハザードマップも要チェックです。危険度の高い地域に住んでいるのに、「保険料が高いから」という理由だけで、特約を検討することなく取り払っていたら、後悔することになるかもしれません。

火災保険 被災前、被災後にすべきこと

被災前
災害に遭遇する前にやっておきたいことは、保険内容の確認だけではありません。もう一つ大事なのが、加入している保険の内容を夫婦・親子・家族で共有しておくということです。火災保険、生命保険、医療保険、どれもそうですが、本人しか知らない、保険証券が見当たらない、汚れたり流されたり燃えたりしたという場合、保険金の請求が大変になってしまいます。せっかく困ったときのために備えているのに、いざというときに役立たないのでは意味がありません。せめて、どこの保険会社で加入しているかだけでもわかるようにしておきましょう。加入中の保険の一覧や保険証券を非常用持出袋に入れておく、写真に撮ってスマホで確認できるようにしておく、などもおすすめです。

被災後
もし被災してしまった場合は、スムーズに保険金を請求できるよう、被害状況がわかる写真を撮りましょう。もちろん安全第一ですが、ごちゃごちゃになった部屋、浸水してついた泥の線、穴が開いた壁などを、できるだけいろいろな角度から撮影しておくと、保険金の請求だけでなく罹災証明書の発行手続きにも役立ちます。

火災保険の「持ち腐れ」はもったいない!

火災保険はただのお守り代わりではなく、家や家族の生活を守る盾になるものです。せっかく保険料を支払っているのであれば、本当に困ったときに迅速に有効活用できるよう、しっかりと準備しておきましょう。(2019.11.25(月) 20:02配信 ファイナンシャルフィールド)

火災保険の加入内容を確認することはとても大切です。保険は難しい・わからないといって保険代理店のすすめられるがままに加入しているケースが多くあります。保険とはリスクを想定して、そのリスクに対して経済的担保をするものです。自分はこういうリスクを想定していると保険代理店に伝えるだけでいいのです。ぜひ家族でわが家にはどんなりすくがあるかを話し合ってください。その結果をまとめることも防災対策の一環です。