壁と比べて強度が弱く、倒壊などのリスクが高まる「窓」/ポイント 建物の角から90センチメートル以内に窓がある場合は要注意

新築物件の場合にはほぼ見られませんが、中古の建売住宅を検討している場合に注意すべきなのが建物の角にある窓です。基本的に木造住宅の場合、「建物の角から、90センチメートルの範囲は、原則壁であるべき」と言われています。窓は壁と比べると強度が弱く、角の部分の強度が弱くなってしまうと圧倒的に倒壊のリスクが高まるからです。

玄関は仕方ないとしても、それ以外で、建物の角から90センチメートル以内に窓がある家は、耐震性が弱い可能性があります。特に1階部分の四隅の壁は重要です。デザイン性に優れていても「耐震面」は要注意

建築基準法は1920(大正9)年の制定以来数回にわたって改正がおこなわれ、特に耐震基準が厳しくなっています。制定当初は、地震に対する規定はありませんでしたが、1923(大正12)年の関東大震災の発生後、地震の震動に耐えられる能力を定めるために、最初の改正が行われました。鉄筋コンクリート、鉄骨、木造などと、それぞれの工法ごとに、「耐震基準」が設けられています。

「建築基準法」とは、生命、健康、財産ほ保護するために、建築物の敷地や設備、構造などについての最低基準をまとめたものです。建物の規模によって、家を建ててもいい地盤、基礎となる土台、壁の構造や骨組みについて、細かく定められています。

2000(平成12)年の最新改定では、性能規定の概念が導入されました。最新の建築基準法の規定は仕様規定と性能規定の2つの概念から成り立っています。

仕様規定では、構造物の材料や工法、寸法を細かく規定されており、この規定のもとでは、あまり自由なデザインを行うことは困難でした。一方性能規定では、構造物に必要とされる性能は規定しますが、個々の仕様については決め込まれていないため設計・施工における自由度が高くなったため、今までにはない構造の建物が生まれるようになりました。

しかし、この建築基準法に定められている仕様規定と性能規定は最低基準であるということです。これをクリアしていれば問題がないというわけではありません。家の建っている地盤や地形などによって、最低基準のとらえ方は変わるのが当然と言えます(2019.1.23(水)9:00配信 幻冬舎)

耐震基準はあくまでも最低基準であり、基準を順守しているから大丈夫というものではありません。今、中古住宅市場は注目されています。リノベーションも活発におこなわれています。中古物件を探すとき窓の位置は角から90cm以上離れているかをチェックしましょう。